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緑内障が悪化する四つの要因を分類。適切な処置が可能に!?

東北大とトプコンが手法を開発
 東北大学大学院医学系研究科の中澤徹教授らはトプコンと共同で、視神経の障害により視野が狭くなる病気「緑内障」について、眼圧上昇や血流障害などの病因に応じて四つの類型に自動分類する手法を開発した。障害が起きた視神経の変形の特徴を、類型ごとに数値化。専用ソフトウエアを使って、3次元撮影した視神経の形状と数値化したデータを照合し、どの類型に該当するかを判定する。

 従来は経験を積んだ医師が視神経の変形を肉眼で判定し、分類作業をしていた。同作業を自動化したことで、経験の浅い医師でも緑内障の類型を把握できるようにした。個々の緑内障患者の類型を見極め、適切な処置を選択する「個別化治療」の実施につなげる。

 新手法は、眼球の網膜と脳をつなぐ視神経のうち、眼球側のつなぎ目部分「視神経乳頭」の形状を測定する。視神経乳頭は中心部がへこんでおり、視神経に障害が起きるとへこみが拡大する。

 緑内障は、眼圧の上昇による視神経の障害が重要な病因の一つとされる。一方で血流障害や近視、血管のけいれんといった要因も、緑内障の悪化に関わることが知られている。眼圧上昇、血流障害、近視、血管のけいれんの4要因のうち、どの要因が強く影響しているかによって、視神経乳頭の拡大したへこみの形状に違いが現れる。

 新手法は、眼球の奥深くまで高精細に撮影できる3次元撮影装置を使用。撮影した視神経乳頭の形状を基に、緑内障のタイプを分類する。

(「視神経乳頭」の3次元立体像の例=トプコン提供)
日刊工業新聞2016年8月25日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
これまで緑内障の治療が医師の経験値に頼ったいた部分が大きかったとは知らなかった。進行するまで自覚症状があまりないと言われているので、定期的な検診もぜひ。

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