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30分先のゲリラ豪雨を予測、理研が開発。スパコンと気象レーダーを組み合わせ

気象庁の高解像度降水ナウキャストを上回る
 理化学研究所計算科学研究機構データ同化研究チームの三好建正チームリーダーらは、30分後までのゲリラ豪雨を予測する手法を開発した。スーパーコンピューター「京(けい)」と、フェーズドアレイ気象レーダーから得られるデータを組み合わせることで、解像度100メートルで30秒ごとに新しい観測データを取り込んで更新する天気予報シミュレーションを実現。実際のゲリラ豪雨の動きを詳細に再現することに成功した。

 スーパーコンピューターを使った天気予報シミュレーションは一般的に、1キロメートルより粗い解像度で1時間ごとに新しい観測データを取り込んで更新する。しかし、ゲリラ豪雨の場合、数分の間に積乱雲が急激に発生・発達するため、1時間の更新間隔では予測が困難だった。

 また、1キロメートルより粗い解像度では、ゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲を十分に解像できなかった。超高速かつ超高精細な天気予報につながる可能性がある。

 情報通信研究機構大阪大学などとの共同研究。成果は、今月下旬に米科学誌ブリティン・オブ・ザ・アメリカン・メテオロジカル・ソサエティーに掲載される。
日刊工業新聞2016年8月10日
穂川果音
穂川果音 Hokawa Kanon 気象予報士
現在、気象庁から提供されている高解像度降水ナウキャストが発表されたのが平成26年。降水ナウキャストは、それまでよりも細かいエリア250メートル四方ごとに、5分おきの1時間先以内のちょっとした雨の予想を知ることが手軽にできるので、便利な情報提供が始まった!と感動したのを覚えてます。それよりも細かいエリアで、時間も更に細かい雨の予想が解るなんて驚きです!こういった予想サービスの提供が始まれば、さらに予想精度、そしてゲリラ雷雨による事故などを防ぐ事ができますね! ここのところ、ゲリラ雷雨という言葉が一般的に浸透するくらい急な雷雨が降ることが多くなりました。自然現象は防ぐ事ができないので、事前に情報を知ってどのように事故を防ぐかを、もっと広く伝えていく事が大事だと思います。

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