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トヨタ、来年の世界生産計画を922万台に設定。主要部品メーカーに伝える

16年計画比29万台増。国内334万台(17万台増)、海外588万台(12万台増)
トヨタ、来年の世界生産計画を922万台に設定。主要部品メーカーに伝える

17年の世界生産台数は16年計画比29万台増となる見通し

 トヨタ自動車は2017年(1―12月)の世界生産台数(ダイハツ工業日野自動車を除く)を、16年計画比29万台増の922万台に設定した。4日、主要部品メーカーに伝えた。国内が同17万台増の334万台、海外が同12万台増の588万台とそれぞれ増える。ただ、15年12月に伝えた計画に比べると5万台減の下方修正となる。17年度(17年4―18年3月)の世界生産台数も922万台とした。

 トヨタは公式発表とは別に、主要部品メーカーに生産・販売計画を通達している。17年の海外生産では、ピックアップトラックやスポーツ多目的車(SUV)が好調な北米や、トルコで生産予定の新型SUV「C―HR」が寄与する欧州などが伸びる予定だが、新興国で伸び悩みそうだ。

 既存車種ではSUV「RAV4」や同「ハリアー」などSUVの増産を計画し、16年末に発売予定の「C―HR」への期待も大きい。英国に工場を構えるトヨタは、英国の欧州連合(EU)離脱問題が懸念材料だが、欧州での生産は欧州地域内で工面する意向だ。

 一方、17年の世界販売台数は同27万台増の942万台に設定した。国内が同3万台増の158万台、海外が同24万台増の784万台を想定する。世界生産台数と同様に、15年12月に伝えた計画に比べ12万台減に下方修正した。下方修正の要因は新興国での販売低迷で、特に原油安で販売台数が大きく落ち込んでいる中近東での減少が影響する。
日刊工業新聞2016年8月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
今年もサプライチェーンの問題が噴出した。それ以外にもリスク要因は高まっている。工場間で生産の融通を利かせる能力がどこまであるか。

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