進化する羽田空港。来たる2020年に備え、もっと使いやすくなれるのか

 誰もが使いやすい空港へ―。都心に最も近い空港、羽田空港(東京国際空港)。1931年に「東京飛行場」として開港して以降、人やモノを運び続けてきた。2010年には再国際化を果たし、24時間運航を開始。国際線は18ヶ国・地域26都市に、国内線は48都市に就航し、1日20万人以上が利用している。国内外問わず東京の“玄関”としての役割を果たす羽田空港の今を追った。

国際線発着回数、年間9万9000回に


 羽田空港が再国際化を果たしたのは2010年10月21日。D滑走路の完成で滑走路を全4本とし、発着回数を増やす体制を整えた。
 現在、国際線の発着回数は深夜・早朝を除いて年間約6万回。深夜・早朝の3万回と合わせると、9万回の発着がある。

 ただ、国土交通省は訪日外国人の増加や2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見越し、さらなる増便が必要になるとみている。そこで2020年までに深夜・早朝を除く国際線の発着回数を、年間9万9000回に増やす予定だ。

国際線ターミナル―最先端技術を駆使し使いやすく


 これに合わせて管理会社である東京国際空港ターミナル(TIAT、東京都大田区)では、国際線旅客ターミナルの“使いやすさ”を追求している。「情報ユニバーサルデザイン検討委員会」を立ち上げ、誰にでも使いやすい設計である「ユニバーサルデザイン」と、情報通信技術(ICT)の融合を目指す取り組みを始めた。最先端技術を駆使した空港誕生に期待がかかる。

 現在は、用件を書くと各種言語に翻訳されるタブレット端末「てがき翻訳」と、何もない壁に案内図などを大きく映し出す「プロジェクションマッピング」が試験的に運用されている。実際に出てくる課題を分析し、改良・改善を進める。
 「てがき翻訳」は、空港内の一部に設置している。中国語やスペイン語など英語以外にも対応しており、将来的に各テナントにも導入したいという。
 また「プロジェクションマッピング」は、混雑しがちな中央出国口付近の壁に、北側出国口への案内を示し、混雑緩和を図っている。将来的にはリアルタイムの情報を把握・提供することで、人の流れもコントロールしたい考えだ。さらにプロジェクションマッピングは画像を映し出すため切り替えが簡単。緊急時の情報提供や動画による情報提供も可能で、活用の幅が広い。

 同社はターミナル開設前から「ユニバーサルデザイン」の空港作りに注力してきた。2015年には洗面所などの周辺機器を直線に配置し、広さの確保と使いやすさを両立した多機能トイレが「日本トイレ大賞国土交通大臣賞」を受賞した。

 また館内5カ所のインフォメーションカウンターと旅客導線に沿った場所にコンシェルジュを配置し、ソフト面の充実も図っている。同所では4ヶ国語に対応しているほか、91人いるコンシェルジュは全員がサービス介助士資格を保持している。日本を代表した“おもてなし”で、空港利用をサポートする。
 現在でも2年に1度「ユニバーサルデザイン検討委員会」を開催。『誰でも使いやすい空港』を目指し、常に更新を図っている。ICTの導入でさらなる飛躍を狙う。

<次ページ:国内線では和食やうどん>

日刊工業新聞2016年7月29日特集

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昆 梓紗

昆 梓紗
07月30日
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東京だけでなく、日本の玄関としての役割を高めつつある羽田空港。夜遅く羽田に着く便だとそこからの交通手段がなくなることがあり、終バスに間に合うよう死にもの狂いで走ったことが何度もありました…。羽田まわりのインフラ整備もぜひ進めてほしいです。

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