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自動運転の「オートパイロット」巡り、テスラとモービルアイが提携解消

5月の死亡事故受け、両社で意見対立か
自動運転の「オートパイロット」巡り、テスラとモービルアイが提携解消

テスラの「モデルS」(同社のサイトから)

 テスラモーターズのセミ自動運転機能「オートパイロット」向けに画像分析システムを提供しているイスラエルのモービルアイが、テスラとの提携を解消することが分かった。モービルアイが26日の第2四半期決算発表の場で明らかにした。5月にテスラの「モデルS」が米フロリダ州の道路をオートパイロット走行中に死亡事故を起こしたことなどを受け、画像システムの利用方法や共同開発のあり方について両社で意見が対立したためとみられる。

 どちらの会社が契約の打ち切りを決定したか、現在の契約がいつ終わるのかについては公表していない。モービルアイはテスラの「モデルS」「モデルX」のオートパイロット向けに現在提供する「EyeQ3」システムの技術サポートは続けるとしているが、それ以降のモデルは提供しない。

 ロイターによれば、テスラは今回の提携解消について、「オートパイロットのカメラ部分は自社開発のソフトウエアに切り替えていく」との声明を出している。テスラは将来、完全自動運転車を実用化する計画でいるが、詳細は明らかにしていない。

 モービルアイの画像システムは自動運転車関連で注目され、日産自動車フォルクスワーゲンなど自動車メーカー10社以上に技術を提供。7月1日にはBMWやインテルと組んで、2021年までに完全自動運転車を市場投入すると発表している。
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
ほかの自動車メーカーやグーグルなどが周辺状況をリアルタイムに確認するのにライダー(Lidar=レーザーレーダー)を活用する一方で、テスラはカメラとレーダー、超音波センサーを採用している。自動運転車の開発をめぐり、アップルなども含めてエンジニアの引き抜き合戦が激しくなっている中で、自前開発に依存するのはリスクが高くないか。

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