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医薬品の安全性を評価するデータベースの利用ルールはどうなる?

18年の運用に向け厚労省が議論始める。医療費の抑制に期待
 厚生労働省は、医薬品などの安全対策を推進する医療情報データベース「MID―NET」運用に向け、データベースの利用ルールや費用負担のあり方を検討するワーキンググループ(作業部会)を8月にも発足する。1年ほどかけて検討し、2017年11月をめどに作成する最終報告書に盛り込む。同システムは18年度に本格的な稼働を予定しており、運用開始に備える。

 MID―NETは、医薬品などの安全性を定量的に評価するためのデータベース。国や製薬企業からの安全対策拠出金を原資に、10拠点23病院に医薬品などの安全性を評価するデータベースを構築する。あわせて医薬品の審査などを行う医薬品医療機器総合機構(PMDA)には、データを分析するシステムを設ける。

 今回発足する作業部会は、MID―NET利用に際してのルール作りについて検討する。データの取り扱いを巡る安全管理要件などを議論するとともに、あわせてシステムの運営にかかる費用を算出した上で、運営に必要な経費や費用負担についても検討する。

 政府が6月に閣議決定した新成長戦略では健康立国に向けての施策として医療・介護分野における情報通信技術(ICT)化の徹底を挙げている。「MID―NET」もテーマの一つとなっている。
日刊工業新聞2016年7月14日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
薬の有効性判断や副作用の低減など、DB運用による患者への価値は大きい。医療費の抑制にもつながるだろう。本格運用は18年度以降と、当初の予定から大幅にずれ込んでいるが、事業の推進を期待したい。

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