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今年はがん診断が初めて100万例突破へ。最多は大腸

国立がん研予測。死亡数は肺がんがトップに
 国立がん研究センターがまとめた2016年のがん統計予測によると、新たにがんと診断される数(罹患(りかん)数)の予測値が15年予測比2・9%増の101万200例となり、初めて100万例を超える見通しとなった。日本の高齢者人口の増加による影響が大きく、死亡数は同0・8%増の37万4000人と算出した。

 罹患数、死亡数ともに一貫して増加が続いている。その対策として、遺伝子の情報を基に患者に合った治療法を選ぶ研究など、がんの新しい診断法や治療法の開発と低コスト化がさらに求められそうだ。

 罹患数は、初めてがんと診断された患者のほか、過去にがんが見つかった部位とは別の部位で新たにがんが見つかった患者らも含む。1人の患者で複数の部位にがんが見つかった場合は、各部位ごとに1例としてカウントしている。

 16年の罹患数予測の男女別内訳は、男性が同2・8%増の57万6100例、女性が同2・9%増の43万4100例。部位別では大腸が14万7200例で最多となり、以下、胃、肺、前立腺、乳房(女性)と続いた。

 死亡数予測の男女別は、男性が同0・5%増の22万300人、女性が同1・3%増の15万3700人となった。部位別の上位5位は肺の7万7300人を筆頭に大腸、胃、膵臓(すいぞう)、肝臓の順となり、15年予測から順位の変動はなかった。
日刊工業新聞2016年7月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
最近は簡易的ながん診断機器もかなり開発が進んでいる。早期発見が何よりと言いながら、まだ一度も人間ドックに行ったことがないことに反省する日々。

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