シャープ、1年前に退任した役員が複写機担当で異例の復帰

去る人、戻る人。人材流出に歯止めはかかるか

 経営再建中のシャープは、元代表取締役専務の中山藤一氏(62)が1日付で同社に復帰し、専務執行役員に就任した。複写機などを担当する。中山氏は2014年6月に代表取締役専務に就き、白物家電など商品部門を統括していたが、経営悪化で15年6月に顧問に退き、同年11月に退社。電子部品メーカーに転職していた。

 シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入って早期再建を目指すことが決まっている。今回の人事について「再生と成長に向けて重要な人材と判断した」(広報部)と説明している。

 シャープは長びいた経営危機と大規模な希望退職などで人材流出が深刻な問題となっている。日本電産の永守重信会長兼社長はIoT関連事業について「シャープ出身の人間でやっている。シャープのおかげ」と話し、シャープ退職者を登用して新分野を開拓しているという。

 日本電産は14年にシャープ元社長の片山幹雄氏が入社して以降、100人以上のシャープ退職者を雇用したとされる。片山氏は代表取締役副会長執行役員最高技術責任者という要職に就き、6月17日の株主総会でも「日本電産で懸命に頑張る」と新天地での再起を誓っている。

 5月にはシャープ財務トップで産業革新機構との交渉役を務めた大西徹夫元副社長執行役員も日本電産に移籍。副社長執行役員に就任した。取締役や幹部以下、優秀人材の流出に歯止めがきかない状況だ。

 衝撃が大きかったのは、ディスプレー事業の競合候補でもあったジャパンディスプレイ入りが決まった方志教和元専務だ。シャープのディスプレー事業を統括して手の内を知り抜いた方志氏の移籍に関係者は「親分肌で慕う人も多く、どれだけの人間が付いていくのかが心配」と漏らす。

 シャープはストックオプションなどの報酬制度導入で優秀人材を確保しようとする一方、追加人員策も検討している。従業員が再リストラの不安を感じず業務に打ち込める環境づくりは急務だ。

明 豊

明 豊
07月02日
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やられたらやり返す。「×××の分の1」返しだ。人材不足であると同時に複写機事業もこれから再編に向かわざるを得ない。

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