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ホンダの国内販売「70万台超」で台数と収益のバランスをどるか

寺谷執行役員「まずはホンダというブランドが改めて支持されるようにしたい」
ホンダの国内販売「70万台超」で台数と収益のバランスをどるか

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 ホンダで日本事業を統括する寺谷公良執行役員は日刊工業新聞のインタビューに応じ、国内販売の中期的な見通しについて「70万台プラスアルファで安定的に売っていきたい」と話した。足元では消費増税の延期や三菱自動車の不正問題で環境が変化するが「ホンダの受注動向は読み通り来ていて現時点で計画の修正は考えていない」とし2016年度に68万5000台とする販売計画に変更はないとした。

(寺谷氏)

 軽自動車税の増税などで軽市場が減少しているが「地方を中心に軽の需要は多く中長期的には底堅い。ホンダとしても引き続き軽に力を入れる」とした。

 環境・安全技術について「ハイブリッド車(HV)を普及するのが先決。自動運転がもてはやされているがホンダとしては運転支援として現実的な技術を普及したい」とした。

 16年度の国内市場は485万台との見通しを示した上で、三菱自の不正問題について「影響は一時的で市場全体がへこむようなことはない。敵失で顧客が流れて来ているという認識はない」とした。

 寺谷氏は系列販社社長から4月にホンダ日本本部長に就任。社長時代にホンダが国内販売100万台を目指していたが主力車種の相次ぐリコールなど品質問題で揺れた。

 「高い目標を目指していた時にブランドを損なうなどの反省点があった」とした上で「台数を追うよりまずはホンダというブランドが改めて支持されるようにしたい」とし、販売現場の経験を生かしてブランド力を高めたいとの抱負を語った。
日刊工業新聞2016年6月22日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
台数と収益性をどのバランスに落とし込むか。ホンダの国内販売には厳しいかじ取りが続く見通しである。台数を追う姿勢は確かに後退こそしたが、「70万台プラスアルファで安定的に売っていきたい」とのコメントにある通り、一定の台数を前提とした経営戦略に変わりが有る訳ではない。70万台プラスアルファの台数、国内収益力、ホンダらしさがあるブランド力に本当に持続的なバランスが取れるのか注目している。

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