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東芝、単眼カメラで画像と距離情報を一度に撮影

自動車やドローンの搭載カメラを小型化。2、3年後に実用化へ
東芝、単眼カメラで画像と距離情報を一度に撮影

1台の単眼カメラで取得した画像㊧撮影画像㊨距離画像

 東芝は1台の単眼カメラで、対象物の画像と距離情報を一度に取得できる撮影技術を開発した。自動車や飛行ロボット(ドローン)などに搭載するカメラを小型化できる。また汎用のイメージセンサーを使えるため、安価にシステムを構築できる。カメラの小型化と画像処理の高速化を進め、2―3年後をめどに実用化する意向。

 従来はカメラが2台必要だったりシステムが高価だったりした。撮影するとカラー画像とともに、距離に応じて色分けされた距離画像を取得できる。距離画像は遠い対象物を青色、近い対象物を赤色で表示する。レンズ性能に応じ、数センチメートルから約100メートル先の対象物まで計測できる。ステレオカメラに比べ、最大で10分の1程度まで小型化できるという。

 独自のカラーフィルターと画像処理を組み合わせた。レンズの開口部に水色と黄色のフィルターを取り付け撮影画像のボケと色ズレを画像解析で、距離を画素ごとに検出する。対象物との距離が1メートル程度であれば、誤差は数ミリメートルに抑えられる。
日刊工業新聞2016年6月16日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
単眼カメラは自動運転で欠かせない技術。東芝はデバイス開発の地力は相当なもの。自動車分野のソリューションをビジネスとしてどうスケールさせるか、組織を含め新体制で固めていって欲しい。

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