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伊勢志摩サミットで世界に発信するニッポンのものづくり

 5月26日に開幕する伊勢志摩サミット(主要7カ国首脳会議)。報道関係者の情報発信拠点「国際メディアセンター(IMC)」の1階には日本の優れた製品・技術が展示されている。ロボットや航空機、鉄道や新機能素材などが分野別に実物、パネルなどを展示、政府が主催する「ものづくり日本大賞」の受賞企業なども含まれている。海外メディアにも注目されるのは間違いない。サミット終了後には一般公開される予定で、IMCの建物と隣接する屋外日本庭園と一緒に楽しむことができる。今回はその中から3点を紹介する。

古河電池のマグネシウム空気電池


 古河電池は、東日本大震災で被災地(福島県いわき市)に立地する企業。被災した体験から「災時に何が必要だったのか?」を考え、製品化したのが「MgBox(マグボックス)」。避難所などに設置して、簡単に多数の携帯機器に電力を供給できるマグネシウム空気電池だ。水を入れるだけで発電し、災害時は情報取得ツールとなるスマートフォンをマグボックス1台で最大30回充電できる。使い捨て電池として使用後の廃棄も考慮、凸版印刷と協力し環境に配慮した紙製容器を採用している。熊本地震の被災地にも送られた。

齋栄織物のシルク製品


 会場で一際目立つウェディングドレス“Fairy Feather(妖精の羽)”ー。齋栄織物は地元・福島県川俣町の伝統技術を昇華した極細絹糸を使用したシルクで作り上げた。

オリエンタルカーペットの絨毯


 オリエンタルカーペットのじゅうたんは従来の手織りではなく手刺しという技法で色彩豊かに仕上げた。展示されているのは新国立競技場も手がけた建築家・隈研吾氏がデザインした「KOKE(コケ)」。


<ものづくり日本大賞とは>
 内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」は、 日本の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきたものづくりを着実に継承し、さらに発展させていくため、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や、伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、ものづくりの第一線で活躍する各世代のうち、特に優秀と認められる人たちを顕彰する制度。特に、最近、日本の製造業が直面している様々な事業環境の変化に柔軟に対応し、新たな付加価値を提供する人材にスポットライトを当て広く発信、ものづくりに携わる人たちの意欲向上につなげるのが目的。
ものづくり日本大賞公式ページ

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
お金はかかっていると(終わった後取り壊させる)何かと批判もあるメディアセンター。思いっきり活用を。

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