大阪の知的交流サロン「ナレッジキャピタル」実績着々 創業や協業生まれる

<追記あり>

 大阪市や大学など産学官が連携した知的創造・交流の場「ナレッジキャピタル」(大阪市北区、宮原秀夫代表理事、06・6372・6427)が、オープンから丸3年を迎えた。交流の中心となる会員制組織「ナレッジサロン」には研究者やIT事業者、起業家、関西の大中小企業の社員など累計で約42万人が集った。これまでの実績や今後の課題を追った。

 ナレッジキャピタルは、関西の産学官が「一人の力では不可能でも多くの知が集まれば新しい創造が生まれる」という思いを込めて2013年4月に開業した。ナレッジサロンは、そこでの交流の中心的役割を担う。現在の会員数はサービス業や情報通信業など約2000人。「会員は大阪を拠点に関西を活性化したい思いが強い人が多い」(サロン事務局)という。

 ナレッジサロンでは「コミュニケータ」と呼ばれる専門員9人を配置し、会員同士の交流を促している。「数人が常駐し、3年間で200以上の出会いを橋渡ししてきた」とコミュニケータの一人である中山智博氏は振り返る。

 交流がきっかけで創業した成功例も出始めた。同キャピタルに本社を置くコンサルティング会社「よくなる」は、元アナウンサーの櫻井直子氏と大手電機メーカー元役員秘書の中村菜津子氏が共同代表となり法人化した。櫻井社長は「サロンで出会った経営者の助言で経営方針が明確になった」と話す。

 企業の協業も進む。ミッドウェーソフトウェアデザインズ(大阪市北区、北浦武士社長)は、サロン会員だったロボット開発ベンチャー企業の事業を継承。さらに他の会員の協力を得て、自社の図書管理システムと連携した図書室受け付けロボットをこのほど京都市内の小学校に納品した。

 これまでナレッジサロンでは会員同士の出会いの橋渡し役に徹してきた。ただ会員のニーズを収集し共有する仕組みがなかったため、16年度にその整備に着手する。アントレプレナー育成や会員が進める研究会活動の支援などにも力を入れ、新事業創出を目指す。
(文=大阪・香西貴之)

ファシリテーター・山口豪志氏の見方


 何をおいてもまずヒトである。必要な時に必要なヒトに会えるかどうかで事業は決まるので、まさにこのような交流の場が開かれていることは非常に大きな意義があると思います。是非ともまずはこういう場があることから始まるかと思うので、まずは場所を創る。

日刊工業新聞2016年5月16日 中小企業・地域経済面

昆 梓紗

昆 梓紗
05月17日
この記事のファシリテーター

こういった交流会は情報交換のみに終わってしまうイメージがありました。実績が出ているのは、「関西を活性化したい」という意識が同じ会員の集まりだからかもしれません。

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