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デルタ航空、ボンバルディアの小型旅客機「CS100」を75機発注

米国で初、販売が危ういCシリーズにとっては朗報
デルタ航空、ボンバルディアの小型旅客機「CS100」を75機発注

調印式会場に飾られたデルタ航空塗装のCS100の模型(ボンバルディア提供)

 デルタ航空は現地時間4月28日、カナダのボンバルディアの小型旅客機「Cシリーズ」のうち、110-125席クラスのCS100を75機正式発注したと発表した。初号機の引き渡しは2018年春を予定している。米国の航空会社がCシリーズを発注するのは初めてで、ボンバルディアの民間機受注では過去最大となった。

 今回の契約には、50機のCS100を発注できるオプションと、130-160席クラスのCS300に変更できる権利が含まれている。CS100はスイス インターナショナルエアラインズがローンチカスタマーで、デルタ航空は米国のローンチカスタマーとなる。

 確定発注の総額はカタログ価格で5億6000万米ドル(約595億円)。CS100の正式発注により、検討していたブラジルのエンブラエルが製造する同クラスのエンブラエル190(E190)は、導入しないという。


(デルタ航空が正式発注したCS100のイメージイラスト=ボンバルディア提供)

「MRJ」よりやや大きく


 CS100は三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」よりやや大きく、CS300はボーイング737やエアバスA320のシリーズでは最小で、後継機が開発されない737-600やA318と同じサイズになる。

 エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー社製ギヤード・ターボファン・エンジン「PurePower PW1500G」を採用。GTFエンジンは三菱航空機が開発中の「MRJ」でもPW1200Gを採用しているが、9月にCS100の初飛行に成功しており、同じGTFエンジン搭載機としては、Cシリーズが先行している。

 これまでの旅客機と比べて、燃費で20%、運用コストで15%の向上が図られており、二酸化炭素(CO2)排出量は20%、窒素酸化物(NOx)排出量は50%削減できるとしている。静粛性の高さや窓の大きさ、シートの幅の広さ、客室内の頭上収納スペース(オーバーヘッドビン)が大型である点なども特長としている。

 デルタ航空のCS100は、1列2席+2席のファーストクラスと、1列2席+3席のエコノミークラスの2クラス構成で、足元の広い「コンフォートプラス」も設ける。また、シート背面に機内エンターテインメントシステム(IFE)を設置し、機内Wi-Fiサービスも提供する。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
デルタ航空がボンバルディアの新型小型機CS100を75機正式発注。50機のオプションと、より大型のCS300に変更する権利も含まれた契約です。販売が危ういCシリーズにとっては朗報です。デルタはエアバスA321も追加発注しています。

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