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サムスンがIoTクラウド発表。IoTチップ搭載した対話型ロボットのデモも

サンフランシスコで27〜28日開催の開発者会議で
サムスンがIoTクラウド発表。IoTチップ搭載した対話型ロボットのデモも

サムスンのARTIKチップ

 サムスンが商用IoTクラウドサービス「ARTIK(アーティック)クラウド」を27日に発表した。サムスンはIoT向けの組み込みIoTモジュール「ARTIKファミリー」を商品化済み。新しいクラウドサービスではARTIKチップの搭載、非搭載にかかかわずメーカーの異なる家電製品や電気機器、センサーなどからのデータをクラウドで統合的に運用することで、スマートフォンで家電製品の稼働状況をモニターしたり、離れたところから操作できるようになるという。さらにARTIKチップを搭載した家庭用対話型ロボットのデモも行った。

 サムスンがサンフランシスコのモスコーンセンターで27日と28日に開いた開発者会議「SDC2016」で発表した。ちなみにモスコーンは今年も含め、毎年6月にアップルが開催する世界開発者会議WWDCの会場になっている。

 ARTIKクラウドの第1号ユーザーとして紹介されたのが、照明スイッチや電気プラグといった電気機器を製造する仏ルグラン(Legrand)。27日のキーノートでは、ルグランの電気パネルにARTIKを組み込み、アマゾンの対話型スピーカー「アレクサ」に話しかけて照明をつけるのと同じことを、サムスンのスマートウォッチ「ギアS2」からできることを映像で紹介。さらに、ドアの開閉に応じて照明がオンオフしたり、照明が切れたり電気製品が壊れたりするとアラートをスマートフォンに送信してくれるという。

 ARTIKモジュールは性能別に3種類あり、アプリケーションプロセッサー、DRAM、フラッシュメモリー、通信機能を搭載したチップセット。その応用の一環として、SDCでは音声対話のできる家庭用ロボット「オットー(Otto)」のプロトタイプのデモも披露された。

 足も車輪もなく自ら移動はできないが、音声を認識して質問に答えを返したり、ニュースやお天気を教えてくれたりする。さらに、アニメーションでディスプレーの顔の表情を変え、曲に合わせて首を振りながら歌を歌ったりといった芸当も。高精細カメラを搭載しているため、写真を撮ったり、スマホアプリを操作してカメラの向きを変えながら、離れた場所の様子を確認することもできる。セキュリティー用に顔認識機能も持つ。ただ、あくまでARTIKの機能をアピールするためのレファレンスモデルのため、発売は未定という。

【SDC2016のキーノート映像】ARTIKクラウドの話は1:20:00ごろから、ロボットの「オットー」は1:45:30ごろから
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
対話型マシンといえば、海の向こうではアマゾンの「アレクサ」が人気だそうで、「オットー」もKDDIが出資した米ジーボの「Jibo」もディスプレー付きの首しかうごかせないが、機能としてはアレクサに近い。日本での対抗馬はシャープの「ロボホン」か。ロボホンも家電操作とかIoTの機能が付けば素晴らしいと思う。自分でトコトコ歩いて行って照明を点けたり消したりするのではなく。

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