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飲料廃棄ロスを今年度半減!キリンビバレッジ、販売数量目標を厳格化

飲料廃棄ロスを今年度半減!キリンビバレッジ、販売数量目標を厳格化

工場や物流デンターとの連絡を密にし廃棄ロスを減らす(湘南工場)

 キリンビバレッジは商品廃棄ロスの削減に取り組む。具体的方法はこれから詰めるが、2016年度に前年度比半減を目指す。15年は同業他社との競争が激しさを増す中、新商品や期間限定商品を多数発売したが、商品により売れ残るといったロスも増加。これが財務体質悪化の一因となった。営業、小売店などとの連携体制をより密にして、販売数量目標を厳格化する。グループ企業の小岩井乳業などの経験やノウハウも活用する。

 飲料メーカーにとって、廃棄ロスの削減は大きなテーマ。花見デザインパッケージの商品などは、シーズンが過ぎると急に売れなくなるため、廃棄ロスや大幅値引きの対象になりやすい。そうかと言って発売時に供給量を絞りすぎると、商品を購入したい客がいるのに品物がないため販売機会のロスにつながるだけでなく、店との信頼関係も失いかねない。綿密な市場予測と判断、店側との打ち合わせが求められる。

 商品によっては小売り側が“開業記念セール”などを実施するため、一定の数量確保が必要になる場合もある。キリンビバレッジはこうした数量増加要因と工場、物流センターとの情報連絡をより密にして精度を高め、廃棄ロスを極力減らす。

 特に乳製品の場合は、缶やペットボトル入りの清涼飲料などと比べ長期保存ができない。このため廃棄ロスは、死活問題になる。小岩井乳業は情報連絡体制強化で廃棄ロスを半減させた成功経験があり、このノウハウも活用する方針だ。
日刊工業新聞2016年4月20日 建設・エネルギー・生活2面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
廃棄食品の横流しなどが問題に浮上した昨今。食品廃棄量の多さにあらためて気づかされました。企業の努力とともに、家庭での廃棄ロス低減にも取り組んでいく必要があります。

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