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ローソン、東京メトロの駅構内に出店。3年で50店転換へ

今後も増えるコンビニの特殊立地や閉鎖商圏への出店に課題も
ローソン、東京メトロの駅構内に出店。3年で50店転換へ

ホスピタルローソンの店内。商品政策がレギュラーローソンとは違っている

 ローソンは東京メトロのグループ会社で地下鉄駅構内の売店を展開するメトロコマース(東京都台東区、石井滋社長)と業務提携契約を結んだ。メトロコマースが運営する売店「メトロス」をローソンに転換する。コンビニエンスストア業界では、全国の店舗数が5万2000店を超え、競争力のある出店立地が少なくなっている。大手各社は今後、駅ナカや病院、オフィスビル内、学校など特殊立地や閉鎖商圏の開拓にも力を入れることになりそうだ。

 提携はメトロコマースがローソンのフランチャイズオーナーとなる形。メトロスの店舗数は現在140店ある。今後2、3年後に約50店をローソン店舗に転換する。残る店舗も転換を検討していく。

 コンビニではファミリーマートが東名阪の私鉄やJR九州などと組んでいるほか、セブン―イレブンがJR西日本や京浜急行電鉄と組んでいる。ローソンも駅ナカでは東京急行電鉄と組んでいる。ただ病院内への出店では先行、すでに約210店を展開している。駅ナカも強化し今後は特殊立地、閉鎖商圏への出店を拡大する格好だ。

 今後、コンビニの特殊立地や閉鎖商圏への出店は増えるとみられる。駅ナカや病院内だけでなく、まだ高速道路のパーキングエリア、さらに大規模な工場や大型ショッピングセンター内の従業員向けの店舗、大規模マンションの一角など、すでに具現化している店舗も少なくないが、潜在的な閉鎖商圏案件もあるかもしれない。

 ただ、ある流通関係者はコンビニの特殊立地、閉鎖商圏出店にあたっての今後の課題として「店舗への納品のための物流導線の確保や標準店と異なる小型の店舗でいかに採算をとっていくか」とみる。

 駅ナカゆえに、荷捌き場からの導線も専用に設けられているわけではないし、駅売店から転換ゆえに小型店も多く、レギュラー店に比べ、採算を確保できる商品政策、オペレーションの確立などが問われるという。

 しかし、鉄道会社ゆえに駅ナカだけでなく、沿線の有力不動産物件の情報も保有しているとみられる。駅ナカ出店の提携を手がかりにレギュラー店の出店用地獲得など、発展系があるかもしれない。
日刊工業新聞2015年04月28日 総合3記事に加筆
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
閉鎖商圏は宝の山か。まだまだ探せば都市には閉鎖商圏という鉱脈が潜んでいるかも。

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