ニュースイッチ

プラント各社、海外でゴミ焼却発電の受注競争激しく

日本の更新需要は今後数年で一巡、
プラント各社、海外でゴミ焼却発電の受注競争激しく

川重が15年に中国で受注した焼却プラント

 ゴミ焼却発電施設を手がけるプラント各社が、アジア案件を相次いで受注している。日立造船はタイで初めて、川崎重工業は中国で2件目を受注した。各社は沿岸都市部に加え、内陸部で新設需要が出ている中国や、国内総生産(GDP)の高まりで焼却需要が拡大する東南アジアを重点地域に位置づける。日本での更新需要は今後数年で一巡する見通しで、生き残りをかけた海外市場の受注競争は激しさを増している。

 日立造船はタイで再生可能エネルギープラントを手がけるNKNYから、北部ノンカイ県に新設するゴミ発電プラントを受注した。受注額は数十億円。日量370トンのストーカー式焼却炉と、発電出力6000キロワットの発電設備を供給するほか、設備の据え付けや試運転の支援を担う。中国やマレーシアなど、アジアで27件の受注実績を持ち、19年度に海外売上高1000億円を目指す。

 川重は中国のセメント大手コンチグループと共同で、ゴミ焼却施設を受注。川重とコンチの合弁企業である安徽海螺川崎工程(ACK)が、雲南省硯山県の案件を請け負う。ACKは日量200トンのストーカー炉や発電設備の設計・調達業務を担う。受注額は20億円前後とみられる。17年5月の完工を目指す。
<全文は日刊工業新聞電子版に会員登録して頂くとお読みになれます>

日刊工業新聞2016年4月12日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ゴミ焼却プラントではJFEエンジニアリングや新日鉄住金エンジニアリングなども海外展開に力を入れている。日立造船に並ぶ国内2強のJFEエンジは、新興国のゴミの埋め立てが主流だが最終処分場の逼迫で新設案件の獲得を目指す。

編集部のおすすめ