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活躍する女性にふさわしい服がない!百貨店・アパレルメーカー、仕事向け衣料品強化

活躍する女性にふさわしい服がない!百貨店・アパレルメーカー、仕事向け衣料品強化

三陽商会は女性管理職らに照準を合わせた店舗を開き、スーツのパターンオーダーを始めた

 女性管理職比率の数値目標策定を企業に求める「女性活躍推進法」が4月1日に施行された。百貨店やアパレルメーカーは今後見込まれる女性管理職の増加を商機ととらえ、仕事向け衣料の品ぞろえを強化している。出張や会議、パーティーなど活動の場は広がっているのにもかかわらず、適当な服飾品が見つからないとの声に応える。

 そごう・西武は基幹5店舗で5月2日まで、スーツやセットアップの品ぞろえを前年の同じ時期と比べて2割程度増やす。きちんとした印象ながら堅苦しくならないファッションなどを提案していく。西武池袋本店では、ブラウスなど、女性向けのクールビズ商品も同約3割増やした。

 そごう・西武は3月、カード会員のキャリア女性5000人に、スーツとジャケットに関するアンケートを行った。この調査結果によると「きちんと見える」といった理由から、回答者の40%がスーツ、52%がジャケットを「もっと着たい」と回答した。

 一方で「月数回」以上着ている人は管理職でも、スーツが42%、ジャケットが58%にとどまった。百貨店のスーツやジャケットに対す不満として「好きなデザインがない」(回答者全体の20・5%)、「バラエティーが足りない」(同14・0%)といった声が多く挙がった。同社は品ぞろえに生かす考えだ。

 三陽商会は基幹ブランド「エポカ」の高島屋新宿店を、女性管理職らに照準を合わせた店舗に改装した。長時間着ても疲れにくいジャケットやバッグ、ドレスなどを扱う。このほか、「身体に合ったスーツがほしい」というニーズに応え、既製品をベースに着丈や袖丈などを修正するパターンオーダーも始めた。

 価格は上下セットで消費税抜き10万9000円からと手頃だ。三陽商会は同様の店舗を、2018年までに10店舗開く予定だ。高島屋は新宿店と日本橋店で、女性エグゼクティブ向けに「エクセラウンジ」を設け、服のオーダーメードや着こなしのアドバイスなどに応じている。
(文=江上佑美子)
日刊工業新聞2016年4月8日 建設・エネルギー・生活2面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
年齢が上がってきているにもかかわらず、ちょっとこなれた仕事服の着こなしができないのが最近の悩み。管理職以外にも仕事服の着こなしをサポートしてくれる場ができれば嬉しいです。

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