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配車サービスの米ウーバー、自動運転車開発で行き詰まりか

複数の自動車会社に自動運転車を大量発注とロイター報道
配車サービスの米ウーバー、自動運転車開発で行き詰まりか

ウーバーのロゴ

 インターネットを使った配車サービス大手の米ウーバーが進める自動運転車プロジェクトが壁に突き当たっているようだ。ロイター通信の18日の報道によれば、ウーバーが複数の自動車会社に対し、大量の自動運転車の発注を打診したという。さらに、これに先立つ形でドイツのマネジャー・マガツィーン誌はウーバーがメルセデス・ベンツの「Sクラス」について、少なくとも10万台を発注したと報じている。

 ロイターは引き続き21日付で、ロボット研究で知られる米カーネギーメロン大学(CMU)とウーバーとの間で1年以上前から実施している共同研究が行き詰まっていると報じた。両者は2015年2月に共同研究の開始を発表している。

 CMUの国立ロボットエンジニアリングセンターのセンター長を務めるハーマン・ハーマン氏によれば、昨年9月にCMUに対してウーバーから550万ドルの資金供給があったにもかかわらず、現在のところウーバーとの研究プロジェクトの計画そのものがない状態という。ロイターの取材に対し、ウーバーはコメントを辞退している。

 いずれにしても、ウーバーは配車サービスへの自動運転車の早期導入に大きな関心を持っているのは確かなようだ。その理由は明らかで、運転手という最大のコスト要因を削減するためと言われている。
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
日本を含め各国で大々的に配車サービスを展開するウーバーだが、同社に対する包囲網が着々と築かれつつあるようだ。GMはウーバーのライバルのリフトに出資し、自前の自動運転車で無人配車サービスを狙う。同じように、自動運転車を開発するグーグルも無人タクシーの事業計画を持つとされる。一方、マネジャー・マガツィーン誌の報道でメルセデスの名前が出てきたが、ウーバー(Uber)の語源がドイツ語(「上に」の意味)というのは単なる偶然として、提携相手としてドイツ勢が浮上する可能性は十分あり得るかもしれない。

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