東南アジアで立体駐車場ビジネスを積み上げる日成ビルド

中国生産からASEANへ徐々に切り替え需要取り込む

 日成ビルド工業は東南アジアでの立体駐車場の市場開拓に向け、中国生産から現地生産へのシフトを進めている。現在、主に中国で生産しているパズル式駐車場は徐々に東南アジアでの生産を増やす方針。タワー式や自走式では鉄骨や外装は現地の加工業者などからすべて調達している。そのほかのエレベーター装置や制御装置、パレット、床用鋼板などは日本・中国から輸出し高品質を保つ体制を整えている。

 パズル式では、人件費や輸送費を削減するため、ベトナム現地法人の合弁相手の工場で生産を始めた。日成ビルドはすでに同工場に技術者を派遣し、品質管理や検査などの指導、研修を行っている。「コスト意識が高く、ベース設計を独自にできるだけの力もある」(谷田信取締役)と期待は大だ。

 ASEAN経済共同体が昨年末に発足。域内関税をなくす計画が猶予期間を付与されたベトナム、ミャンマーなどを含め進んでいる。このため、同社は17年をめどにベトナムからマレーシアやタイ、カンボジアなどへの輸出を始める方針。

 中国での生産はモーターや電子部品などの主要部品に日本製を採用してもらい、定期的に品質や技術の確認を行いながら、日本の日成ビルド工業のブランド製品として生産している。日本ブランドの需要に応えるためだ。同社は、中国では立体駐車場の運営や管理に特化。自ら投資する案件には生産委託先の駐車場を採用しているが、「代金回収などのリスクが高い」(同)ため、立体駐車場の販売は行っていない。

保守、高品質を強みに中国・韓国製に対抗


 インドネシアでは15年に営業活動を本格化。パズル2段式350セット、タワー式6基など多くの引き合いがある。このまま旺盛な需要が見込めれば、現地に協力会社を確保し、生産委託の形で現地生産に切り替える考えだ。

 パズル式以外の立体駐車場では、タワー式のエレベーター装置や制御装置などは日本から輸出している。タワー式のパレット、自走式の床用鋼板は、パズル式の生産委託先とは異なる中国現法の合弁相手である駐車場メーカーが生産している。床用鋼板はメッキ処理が必要で「中国はメッキのコストが安く高精度処理を必要としない」(同)ため、現在の体制を維持する方針。

 ASEANでは地価や建設コストの上昇、駐車場の設置義務付けなどで立体駐車場の需要増が見込める。その際には、地下より低コストでできる立体駐車場の認知度を今後高める必要がある。

 課題は中国製や韓国製との価格競争。谷田取締役は「イニシャルコストは高いが、保守も含めた中長期のコストでは当社製は安くなるはず」と強調。中期経営計画で掲げる19年3月期に海外事業の売上高20億円を「一気に上回る可能性もある」(同)とみている。
(文=金沢・市川哲寛)

日刊工業新聞2016年2月10日モノづくり面
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明 豊

明 豊
02月16日
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昇降機のビジネスモデルが似ているのか。まずは多く設置してアフターで儲ける。

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