トヨタ、生産きょう停止。仕入れ先の支援検討

「損害、特別な費用が発生する場合は補償を」

 トヨタ自動車は愛知製鋼の爆発事故の影響で8―13日の6日間、国内すべての車両組み立てラインの稼働を停止する。東日本大震災以降、サプライチェーンの強化を進めてきた中で再び大規模生産停止に追い込まれた。15日の再開を決めたが、国内販売や部品メーカーへの影響が大きいことから、トヨタは仕入れ先への支援策を検討する。

 「15日からは残業も当初計画レベルで通常稼働になる。休日出勤も予定通り実施する」。5日に東京本社で開いた2015年4―12月期決算発表会見で、早川茂取締役専務役員はこう強調した。

 もともと繁忙期の年度末での生産停止だけに、新車納期への影響も大きい。特に新型ハイブリッド車(HV)「プリウス」は受注好調なためグレードによって最長7―8カ月の納期がかかる状況となっている。生産の挽回について早川取締役専務役員は「部品の供給をみながら詰める。今年度末までとなると時間がないから難しいが、少しでもはやく挽回したい」と述べた。

 1週間の全面生産停止は部品メーカーへも大きな影響を与える。愛知県内のある部品メーカーは「相当な費用が発生しそう」と嘆く。トヨタから見て3次以下ともなると体力の乏しい中小企業も多い。「資金繰りが危なくなるところもある。(代金の)前払いなど対策を考えないと」(部品メーカー幹部)と頭を痛める。

 こうした現状を受け、トヨタは仕入れ先への支援策を検討する。「損害、特別な費用が発生する場合は補償を検討していると伝えている」と、早川取締役専務役員は説明した。

日刊工業新聞2016年2月8日3面
日刊工業新聞電子版

明 豊

明 豊
02月08日
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 トヨタの2016年3月期業績予想は、当期純利益を15年11月公表値比200億円増の2兆2700億円(前期比4・4%増)に上方修正。最高益更新を更新する見込み。15年に過去最高の販売台数を記録した中国の合弁事業の収益性が向上し、利益を上積みした。グループ総販売台数は同5万台積み増し、1005万台(前期比1・2%減)を見込む。
 今回の業績予想には愛知製鋼の工場爆発事故に伴う生産停止の影響は織り込んでいないが、事故の影響とは関係なくステークホルダーへの利益の還元がどういう形で行われるか注目。

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