ボーイングと直接取引する長野の実力中堅企業。民間機事業の売り上げ3倍へ

多摩川精機、複数部門を統合し事業本部に。独立採算に近づける

 多摩川精機(長野県飯田市)は、民間航空機関連の複数部門を統合し、「民間航空機事業本部」を設立した。飯田市内の複数拠点に分散していた開発や営業などの担当者計70人を集約。同社は米欧などの新型機開発計画に相次いで参画が決まり、今後は量産を控える。体制強化で、2020年をめどに民間機関連の売上高を現在比約3倍の60億円規模に引き上げる。

 事業本部は第2事業所(飯田市)内に設置した。開発、営業、生産管理、品質保証などの担当者を集約。受注活動から生産、納入まで一貫して手がける体制を構築した。同社は自動車や防衛関連などの精密機器が主力だが、民間機は投資回収期間が他事業と比べ長いことなどから、独立採算に近い形とした。

 事業強化に向け、日本政策投資銀行(DBJ)から29日付で数億円の融資を受けることも決定。製品の量産準備などに使う。DBJは高い付加価値を生み出す中堅企業約200社を「バリューチェーンコア(VCC)企業」に選定し、通常より0・1―0・2%低利で融資する制度を運用。多摩川精機もVCC企業に認定され、今回は中部地方で初めて、VCC企業支援制度に基づく融資となる。

 同社の連結売上高約500億円のうち、航空機向けは民間・防衛で1割程度。一方、14年に米ボーイングから小型機「737MAX」の飛行制御装置用センサーを直接受注した。欧エアバスの大型機「A350」や三菱航空機(愛知県豊山町)の小型機「MRJ」向けセンサーなども受注し、今後は量産が本格化する。

日刊工業新聞2016年1月29日航空機面
日刊工業新聞電子版

明 豊

明 豊
01月31日
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もともとはロボット向けで強みを持つ多摩川精機。モーター、角度センサーを両方製造している会社は世界でも少ない。巻線機械などは装置も内製化している。今後も要注目企業です

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