手作り鍛造抜き型、日本刀の伝統製法で新素材にも挑戦

ハガタ屋社長の喜岡達さんの職人芸、次は息子へ

 ハガタ屋(香川県東かがわ市)は、日本刀などで使われる伝統製法の鍛えて砥(と)いで仕上げる手作り鍛造抜き型を製造している。社長の喜岡達さんが叔父の工場で修業後、19歳で1967年に創業した。

 手作り鍛造抜き型は切れ味と耐久性に優れるのが特徴。同社で売り上げの多くを占める封筒用抜き型は1回のプレスで500枚を打ち抜き、150万枚を打ち抜く耐久性がある。07年には第2回ものづくり日本大賞四国経済産業局長賞を受賞、内閣官房地域活性化伝道師にも就任した。

 「手作り鍛造抜き型は、鋼を曲げ、削り、焼き入れ、砥ぎが基本工程だがヤスリやグラインダーなどすべての道具を自分の指のように自由自在に扱えるかがポイント。一人前になるまで約10年はかかる」という。「抜き型は日本刀のように砥ぎが重要で、焼き入れも大事だが切れ味は砥ぎが命。難しいのは切る素材により砥ぎ方が違う所」と強調。「機械加工で作られた刃物は最初は切れ味が良いが刃先が摩耗し長くもたない」と話す。

 09年からは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や複雑な糸構造のスーパー繊維の打ち抜きに挑んだ。「素材分析、鋼の曲げ、焼き入れ、研磨などを学ぶため日本国中の刃物の生産地をまわり、頭を下げて話を聞き現場を見た。試作品は100個以上で試行錯誤の連続だった」と振り返る。

 「負けず嫌いな性格」が他社を驚かせる抜き型を開発。従来のプレス機で難素材を打ち抜き、スーパー繊維を使った防弾チョッキや防刃衣料も難なく打ち抜く。強度が鉄の約10倍といわれるCFRP約1500枚を打ち抜く耐久性がある。

 自動車や航空機関連企業などからさまざまな依頼が舞い込む。現在は、長男の輝(ひかり)さんが入社し、切削の基礎からノウハウを教え込む。
(文=高松支局・斉藤伸介)

※日刊工業新聞では毎週水曜日に「マイスターに聞く」を連載中

日刊工業新聞2016年1月13日 機械面
日刊工業新聞電子版

明 豊

明 豊
01月17日
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息子さんが継いでくれそうなので良かったが、こういう職人技を残していかないと。

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