学生たちのユニークなロボットが活躍!農林水産業ロボットコンテスト

2015国際ロボット展・農林水産業ロボットコンテストリポート

 合同開催のイベントとして12月5日に開かれた農林水産業ロボットコンテストでは、審査で選ばれた6校がユニークなロボットを持ち寄り、会場で性能をアピールした。各校が出展したロボットを紹介する。

福島県立郡山北工業高校 木登りロボット Gibbon(ギベン)


 テナガザルに似た外見から英語名のGibbon(ギベン)と命名した。テナガザルのような2本のアームを松の木の枝に引っかけて木の上へ。その後自らが電極となり「マツ材線虫病」の原因となる幹の中のマツ材線虫を感電死させる。感電させる方法は落雷で木が病気から回復した話をヒントに採用した。
 高所作業になるため軽量と安全を重視。構造をシンプルにし、バッテリーではなくコントローラー側からの有線式給電にした。落下防止として枝を挟むように固定するアームロック機構にしている。
 実際のマツ材線虫病対策では病害拡大抑止が優先され、発病した樹木を伐採し廃棄することが多い。Gibbon(ギベン)による駆除法は「史跡登録された貴重な松などを伐採せずに治療できる方法として、将来採用されることがあればうれしい」(開発メンバー)という。


栃木県立今市工業高校 ほ場見守りロボット キリン


 遠くからでも目立つよう、キリン模様の外観にした。四つのタイヤでほ場を走り回る。本体に載せたウェブカメラを通して、スマートフォンやタブレット端末からほ場の様子を確認したり農作業者を見守ったりできる。
 一人きりで農作業を行う高齢者が事故や熱中症で倒れ、発見が遅れ重症化するというケースを防ぐことがキリンの大きな役目。近年は「豪雨による被害が深刻で、ほ場の安全確保も課題」(開発メンバー)であり、その解決も期待される。
 音声出力や表示ランプの点灯機能を備え、ソーラーパネルの付いた車庫で充電できる。増水したほ場でも作業できるよう、足回りのモーターを高い位置に付け、動力をチェーンでタイヤに伝えるようにした。ノズルから散水ができる機能も持つ。


信州大学 アグスリム-FWS


 農業用地は斜面や不整地が多い。「アグスリム-FWS」は、そうした場所で草刈りや搬送などの作業を行うため、特徴的な走行機能を持たせている。地元である長野県では多くの農業用地は傾斜地となっており、この傾斜地の走破を試みることが出発点となった。
 開発したロボットは、車輪の傾き(キャンバー角)を変えることができる機構とセンサー類を搭載し、斜面や不整地において車輪の接地状態や車体姿勢をコントロールできるように制作した。高斜度でも横滑りしないように車輪幅を小さくし、その車輪のエッジ(端)を地面に食い込ませて走らせる。また、さまざまな車輪を取り付けることも可能であり、地形や作業に合わせて車輪形状を変えられる。
 今後、実際の農業シーンへの導入を目指し、よりクオリティの高いシステムを仕上げていく予定である。

ニュースイッチオリジナル

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