無人トラクター、ホウレンソウ自動収穫―農林水産業×ロボットの未来の姿がここに!

2015国際ロボット展・地方創生農林水産業ロボット推進協議会ブースリポート

 農林水産業と工業との連携による新たなイノベーション創出を目指す地方創生農林水産業ロボット推進協議会(以下協議会)は、その活動の一環として、12月2日から5日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた「2015国際ロボット展」に出展した。展示ブースでは土を盛るなど畑や農場を再現し農業ロボットを実際に動かすデモンストレーションで来場者の関心を集めていた。各社のロボットを見る。

ヤンマー


 メタリックレッドの「かっこいい」トラクターを展示して来場者を喜ばせていたのがヤンマー。展示したトラクター「YT5113」はヤンマーホールディングス取締役で工業デザイナーの奥山清行氏が最先端のテクノロジーと最先端のデザインをカタチにしたもの。デザインや使い勝手の良さだけが売り物ではなく、数年後をめどに自動運転機能を装備したロボットトラクターとして活躍する予定になっている。
 全地球航法衛星システム(GNSS)と各種センサー、通信技術を使い、農地の作業を複数台で行う。“無人で作業を行うトラクター”を、“有人で作業を行うトラクター”が見守りながら協調作業を行う。耕うんや作付けなどの作業を同時にすることで、作業を早めようというものだ。
 開発者によると、今後はトラクターだけでなくコンバインや田植機のロボット化も目指す。飛行ロボット(ドローン)により農地の状況を詳細に把握して、さらに高効率な作業につなげる、といったことも視野に研究をしているという。

クボタ


 クボタが出展したアシストスーツ「ラクベスト」は、ブドウの管理作業など、腕を上げ続ける作業をサポートする。ロボット技術とはいえ、モーターや複雑な機能を極力排除して重さを約3・9キログラムに抑えた。高齢者が一人でも気軽に装着しやすくするためと、コストを低減していくことを追求し、今の形に落ち着いた。
 ブドウやナシは棚仕立てと呼ばれる樹形での栽培が一般的である。作業者が棚の下に立ち、上向きで手入れや収穫などを行う。とにかく身体への負担が大きく、肩や腕が疲れるため高齢者にとって過酷な作業だ。
 細かい工夫も多く、例えばスイッチの位置一つをとっても棚下に上腕がぶつからないよう、腕を伸ばさずに操作できる。腕を上げているときだけサポートする構造のため腕の上げ下げもしやすい。
 ブースでも、棚下の作業をデモしており来場者の関心を集めていた。上向きで作業する工場作業などでも応用が期待できそうだ。

井関農機


 井関農機は、石川県農林総合研究センターと共同で開発した可変施肥田植機を出展した。土壌センサーなどを活用して、ほ場にまく肥料(施肥)を適正な量に自動制御できる。農機メーカー各社が取り組む、農機と情報通信技術(ICT)の融合を実現する技術として注目される。
 稲作では施肥量が多すぎると育った稲が倒れてしまう恐れがあり、コメの味や品質、収穫量に悪影響が出てしまう。可変施肥田植機は、前輪付近に備えたセンサーと車輪内輪の電極を使い、田植えをおこなう水田の土の深さや土壌肥沃度を測定することで、その情報をもとに施肥量をリアルタイムにコントロールしながら田植え作業ができる。可変施肥田植機は2016年の発売を予定しているという。

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