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セブン&アイ、全員参加型の商品開発に乗り出す理由

オムニチャネル時代見据え、ネット専用商品やPBの魅力高める
セブン&アイ、全員参加型の商品開発に乗り出す理由

社員一丸となった商品開発へ

 セブン&アイ・ホールディングスは商品開発にあたって、社員などから意見や提案を受ける仕組み作りを始める。昨年から本格展開を始めた店舗とネットの融合、「オムニチャネル」のネット専用商品や、プライベートブランドの開発にあたり意見や提案を反映させる見通し。ネット通販では同じナショナルブランドの扱いでは価格競争に陥りかねない。〝全員参加型〟の商品作りで独自性を持った商品を開発する狙い。
 
社内から意見や提案を受ける仕組みは今後詰めるが、社内のネットワークを活用して誰でも自由に意見や提案をできるようにする。PBなどの開発にあたっては一部のマーチャンダイザーが企画し開発を進めるやり方が一般的。ただ限られた人材、組織での開発には限界もあると判断した。
 
セブン&アイは今後、オムニセブンの魅力を高めるため、大手食品メーカーなどと組み、ネット専用商品の開発を加速する方針を打ち出している。この開発にあたって社員の意見や提案がどこ段階から反映するかなど、仕組みの細部は今後詰める見通し。

 ネット通販大手ではアマゾンやアスクルが、メーカーと協業し専用商品の開発を加速している。また食品スーパーのボランタリーチェーンであるシジシージャパンでも加盟社のPBという位置付けでなく、ナショナルブランドで食品スーパー業態専用商品の開発を実施し他販路との差別化を図る方向だ。
日刊工業新聞2016年1月15日生活面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ネットと店舗を融合したオムニチャネル時代に必要なのは、やはり独自性のある商品ということなのでしょうか。同じ商品を売るだけなら、レッドオーシャンですものね。売り場やサービスを改善しても結局は商品がよくないとだめということを示唆しています。大手スーパーの商品開発はこれまで一人のマーチャンダイザーが企画からやってきましたが、これからは、種々の意見、提案を反映させて作る時代なのですね。

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