ニュースイッチ

百貨店、外商顧客に熱視線

専用サイトなどで攻勢、新規顧客取り込む
百貨店、外商顧客に熱視線

高島屋も外商顧客獲得に力を入れる

 百貨店が外商顧客に向け、新たな提案をしている。大丸松坂屋百貨店は冊子を創刊し、新規顧客の開拓を加速。高島屋は外商顧客専用のサイトを設けた。中間層の消費意欲が回復しない中、外商の対象となる富裕層は訪日外国人と並び売り上げ増が見込める。共働きの増加などライフスタイルの変化に対応して取り込みを図る。

 大丸松坂屋百貨店は外商の新規口座開拓を強化しており、2015年3―11月は前年同期比13%増の1万431口座を獲得した。14年6月に設けた富裕層向けクローズドサイト「コネスリーニュ」はバッグやジュエリーなどの高額品を紹介し、顧客が気に入った商品を選択すると、外商担当者から連絡が来る仕組みだ。15年10月には冊子「コネスリーニュ レヴェ」を創刊。美術品などを掲載し、5万部を発刊した。商品だけでなく、旅行などの提案も好評という。

 従来、百貨店の外商担当者は昼間に顧客の自宅などを訪問し、商品を紹介していた。しかし共働きの医者夫婦や若い起業家など「夜中しか時間がないという顧客が増えている」(高島屋)。

 高島屋も15年11月に外商顧客向けサイト「タカシマヤ e―Salon」を開き、すでに約4000人が登録している。遠方の顧客にもアプローチしやすい利点があると見ており、16年夏までをめどに同サイトからの購入にも対応する考えだ。
日刊工業新聞2016年1月5日 建設・エネルギー・生活2
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
富裕層向けの商品政策ではもちろん、衣料・雑貨のブランド品や貴金属がズラリと並んでいるようですが、「旅行」なども好評らしいです。富裕層もモノからコトへのニーズが高まっているのでしょうか。

編集部のおすすめ