【2016を読む】半導体「レガシー技術」に脚光

装置メーカー、200mmウエハー対応製品再び投入

 半導体産業では世代の古い「レガシー技術」に注目が集まる。自動車の先進運転支援システム(ADAS)や、モノのインターネット(IoT)の普及拡大を背景に、センサーや通信を担うアナログ半導体や、モーターを駆動するパワー半導体が伸びる見通し。

 これらの半導体は必ずしも微細化などの先端技術を必要としない。その一方で、品質の高い製品を仕上げるには熟練技術者のノウハウが必要となり、組み立て技術も差別化のポイントになる。米オン・セミコンダクターが、米フェアチャイルド・セミコンダクター・インターナショナルの買収で同社と合意するなど再編が加速する可能性がある。

 またアナログ半導体やパワー半導体は、多品種少量で生産するケースが多い。先端の300ミリメートルウエハーではサイズが大きすぎるため、小回りの利く200ミリメートルウエハーに対する需要が高まる。米SEMIによると世界の200ミリメートルウエハーの月産枚数は12年は510万枚だったが、18年には7・1%増の546万枚に伸びる見通し。

 半導体製造装置メーカーも200ミリメートルウエハーの需要を取り込もうと新製品開発を活発化させている。「これまで各社は需要回復が本物かどうか見極めていたが、いよいよ本腰を入れ始めた」(SEMIジャパンの中村修代表)。

 ニコンは KrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザーの露光装置を投入する。10年以上前に開発した製品と比べ、より細い線幅で回路を描けるようにしたうえで価格は300ミリメートルウエハー向けより大幅に抑える。

 日立ハイテクノロジーズは、十数年ぶりに200ミリメートル対応の測長走査型電子顕微鏡(SEM)「CS4800」を開発し受注を始めた。150ミリ、100ミリメートルのウエハーにも使える。3年後に年20―30台の販売を見込む。シンフォニアテクノロジーは子会社を通じて、ウエハー容器のふたを自動で開ける「ポッドオープナー」を投入した。

 また東京エレクトロンは熱処理成膜装置のファーネス(炉)などで、顧客ごとにカスタマイズした200ミリメートルウエハー対応製品の展開を検討する。

日刊工業新聞2016年1月1日 電機・電子部品面の記事に加筆・修正
日刊工業新聞電子版

明 豊

明 豊
01月03日
この記事のファシリテーター

2000年代、日本の電機産業は過度に製品イノベーションを追い求め過ぎていた。シャープは液晶テレビの大型化を先導しようと世界最大の生産ラインに投資したが、その裏でサムスンなどは一つ古い世代の設備で確実に歩留まりを上げる製造工程のイノベーションに注力していた。半導体産業は今年、特に面白くなる。日本企業の巻き返しも含め。東芝、ルネサス、ソニー・・。200mm軸に限らず、ファブ視点でも再編を見ていきたい。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。