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損保ジャパンのマイスターは認定者2%の狭き門

入社7年目の平田葉子(29)さんが保険金サービス業務で評価される「丁寧力」
損保ジャパンのマイスターは認定者2%の狭き門

平田葉子さん

 「お電話ありがとうございます。損保ジャパン日本興亜の平田です」。大手損害保険会社の損保ジャパン日本興亜の保険金サービス部に所属する平田葉子さん(29)は顧客の問い合わせに丁寧に対応する。同部門は名称の通り、保険金請求などに日々対応し、「保険会社の本丸業務」を担う。平田さんは入社7年目の若手ながら第一線で活躍し、2014年には社内の表彰制度「クレドマイスター」に認定された。

 同制度は12年度に創設。認定には社内だけでなく、顧客や代理店・営業店など社内外からの評価が必要となる。保険金サービス部で働く1万人以上の従業員の中で、マイスター認定者はわずか約2%と300人にも満たない。非常に狭き門だ。

 実際、顔の見えない相手との電話のやりとりは、容易ではない。保険金支払いに必要な情報を早く聞き出す必要がある一方、顧客は不安を抱えた状態で連絡してくるため、冷静に話ができない事例もある。どんな時でも「まずは顧客の声に耳を傾け、不安を取り除くこと。その上で必要なことを聞き出すことがコツ」と話す。

 こうした平田さんの対応は周囲も感心する。同部署に所属する富永麻里さんも「実際、顧客からのアンケートで平田さんを名前入りで評価する声がとても多い」と話す。

 現在は顧客対応だけでなく、未来のマイスターを育てる役割も担う。顧客から届いた感謝の声を部全体で共有して、ムードアップにつなげるといった取り組みを実践するなど忙しい日々を送る。

 平田さんは今後の目標について、「お客さまに満足される対応を継続するとともに、マイスターとしての姿勢や心がけも広く周りに伝えていきたい」と力強く語る。
(文=杉浦武士)

※日刊工業新聞で毎週水曜日に「マイスターに聞く」を連載中
日刊工業新聞2015年12月30日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
相当にストレスがたまる仕事だと思うが、マニュアルでどこまで対応できるのだろうか。

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