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自動車部品メーカーの業態転換を後押し、経産省があの手この手

経済産業省は自動車部品メーカーの業態転換を支援する。電気自動車(EV)の普及に伴いエンジン部品など需要減少が見込まれるサプライヤーに対し、事業戦略の相談窓口を設けるほか、新技術の開発や設備投資を補助する。脱炭素化で自動車業界は急激な構造変化に直面しており、サプライヤーの事業再構築を後押しする。

経産省は「自動車産業『ミカタ』プロジェクト」として、業態転換に向けた戦略策定支援や設備導入補助施策をパッケージ化し、利用を促進する。エンジンやトランスミッションなどの部品メーカーや、整備・販売事業者がEV分野に参入しやすくする。

愛知県や埼玉県、静岡県、京都府など7カ所にサプライヤーの支援拠点を設けて相談対応や専門家の派遣などを進めており、今後は東北や関東、中国地方で拠点の増設を検討。約1000社の支援を目指す。

一方、EVモーター部品の開発や部品軽量化などを目指すサプライヤーには、事業再構築補助金の活用を通して設備投資を促す。

補助上限を引き上げるなど要件を一部変更し、2022年度から始める方向で調整している。中小企業の場合、補助率2分の1で上限1億円、中堅企業に対しては補助率3分の1で上限1億5000万円を想定する。

カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の潮流でEV化が加速する見通し。EVの部品点数は内燃機関搭載車よりも少なく、サプライヤーは対応を迫られる。経産省は30年にEV分野に1万社が参入することを目指している。

日刊工業新聞2022年1月11日

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