日本一若い佃煮屋社長の挑戦!環境配慮のためLPガスボイラを導入

「会社を継いだからには、新しいことに挑戦しよう」

「自分が継がなければ会社がなくなる」


 三河湾を望む河口に工場を構えるセキヤ食品工業(愛知県豊川市)は、創業83年の老舗佃煮屋。ここは、日本一若い佃煮屋社長の会社でもある。

 豊橋は佃煮の名産地として知られている。隣接する三河湾がアサリの産地であり、古くから水あめや醤油業者が所在することに由来する。同社も創業時はアサリとメヒカリの佃煮を作っていた。しかし環境変化により原料の収穫量が激減。現在では全商品のうち地元産の原料を使ったものは3%のみ。値段は中国産の6倍である。さらに佃煮業界全体の売上げも年々減少。若い人がなかなか佃煮を食べなくなっている。

 関谷冴基社長は24歳の時に入社2カ月で社長に就任。現在3年目である。「先代は祖父なのですが、自分が継がなければ会社を畳むと言われていました。幼い頃から親しんできた会社を無くしてしまうのは残念で、『それならばやってみよう』と事業継承を決めました」(関谷社長)。実際、同業者は年々減少しているが、その大きな理由の1つが後継者問題だという。

エネルギー問題に対応するために


 会社を継いだからには、新しいことに挑戦しよう――関谷社長は畳みかけていた会社を積極的に改革していくことを決意する。古くなった設備、工場の改修や刷新を進めていく上で、まず着手したのが重油ボイラをLPガスボイラへ更新することだった。

 ボイラで作り出した蒸気は、佃煮を煮る窯で使用されている。一度焼いた材料は、30台ほど並んだ窯で調味料とともに煮る。窯をかきまぜ、調整をするのはすべて人手で行っている。昔は直火で窯を熱していたが、蒸気を使用する方が効率が良くトラブルも少ないという。

 実は重油ボイラは、46年間使い続けてきた特別な思い入れのある機器だった。「台風で建屋が全壊した時も、火事で全焼した時もボイラだけは無事で、もはや守り神のような存在でした。勤続40年以上の従業員が入社した当初からあり、『なくなってしまうのは正直寂しい』という声もありました」(関谷社長)。

 しかしボイラを更新すると大きな効果が得られる試算があった。ボイラ機器効率向上によるランニングコストの低減や、メンテナンスが楽になるなどの効果が考えられたが、一番の決め手となったのはエネルギーの問題だ。エネルギーを輸入に頼っている日本の現状から、長期的に考えると総エネルギー使用量を圧縮していく必要がある。重油をLPガスに燃料転換することにより、燃料使用量自体を減らすことができる。

 「子供の頃からここで育ってきましたが、近所の川や海で魚が全然釣れなくなってしまって。ここ10年くらいで環境が大きく変わったのを実感しています。何か、環境に配慮する取組みをしなければと考えました」(関谷社長)。

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