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エアバス、航続距離延長型「A350-900ULR」をローンチ

シンガポール航空が復活ニューヨーク線で
 エアバスは現地時間10月13日、航続距離を延長したA350-900型機をローンチしたと発表した。飛行時間が19時間に伸びる。シンガポール航空(SIA)がローンチカスタマーで、米国への直行便に導入する。

 「A350-900ULR(Ultra-Long Range、超長距離)」は、燃料システムを改良し燃料の容量も拡大。最大離陸重量(MTOW)を増加させることで、航続距離を8700海里(1万6112.4キロ)に伸ばした。燃料タンクは14万1000リットルから16万5000リットルに、MTOWを280トンに増加させ、シンガポールからニューヨークまでの飛行を可能にした。

 シンガポール航空が発注済みのA350-900は67機で、このうち7機がA350-900ULRとなる。A350-900は2014年第1四半期(1-3月機)に、A350-900ULRは2018年に引き渡す見込み。

 シンガポール航空は2004年から2013年まで、シンガポールからロサンゼルスとニューヨークに直行便を運航していた。運航機材はA340-500。

 A350 XWBは3機種で構成。座席数はメーカー標準仕様で短胴型のA350-800が3クラス280席、A350-900が325席、A350-1000が366席で、エンジンは英ロールス・ロイス社製トレントXWBを搭載し、燃費を従来の機材より25%改善する。

 9月末現在、41顧客から783機(A350-800が16機、A350-900が598機、A350-1000が169機)を受注し、2社にA350-900を6機納入。カタール航空(QTR)が4機、ベトナム航空(HVN)が2機を運航している。10月にはフィンエアー(FIN)にも引き渡した。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
A350 XWBの標準型であるA350-900の航続距離を伸ばした「A350-900ULR」をエアバスが発表。ローンチカスタマーはシンガポール航空で、13年まで運航していたシンガポール-ニューヨーク線を復活させます。

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