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知名度ゼロから一躍注目を浴びる時計ブランド

文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)「MVMT Watches」質の高い材料と洗練されたデザインを低価格で
知名度ゼロから一躍注目を浴びる時計ブランド

「MVMT Watches」ウェブサイト

 時計は多くの人たちにとって、ファッションの一要素になっている。ただ機能的であれば、ただ安ければ良いというのでなく、自分のスタイルや嗜好に合った時計だからこそ身につけている、という人が多いのではないだろか。

 しかし、自分に合った時計を求めれば求めるほど、自然に値段もあがってしまうのが一般的だ。安い時計は機能や材質のみならずデザインや完成度が劣ることが多く、最低限の役には立っても、ファッションとして見るとどうしても安っぽさが目についてしまうからだ。しかし、お金にそこまで余裕のない10代、20代の若者はそうそう時計にもお金は掛けられない。

 今回ご紹介する「MVMT Watches」http://www.mvmtwatches.com/
は、そんな安くてもデザインにこだわった時計を提供している米国カリフォルニアの時計ブランドだ。同サイトは販売をECに限定しており、20代の若者にターゲットを絞り込ったマーケティングで、世界各国の若者から絶大な支持を得た。

 またクラウドファウンディングサイトのIndiegogoにおいて1万5000ドル(約180万円)の目標金額を大きく上回る22万ドル(約2640万円)以上の支援金を集めることにも成功している。

若者の心を掴んだ時計ブランドMVMT


 MVMTは格好良く、質の高い良い時計が欲しいが、値段の高い時計を買えるだけの金銭的な余裕がない若者に向けて設立されたブランドで、米国のみならず、英国やオーストラリアの「安くて良いものを」と考えている人々から好評を得ている。

 現在同サイトで販売されている時計は現在男性用のモデルが22種類、女性用が11種類で、値段は95ドル~140ドル(約1万1400円~1万6800円)。中間業者を排除し、資金集めはクラウドファンディング、マーケティングはソーシャルメディア、販売はECサイトのみとコストの掛からない方法を選択することで、質が同じであれば従来の業者の3分の1ほどの価格で質の高い時計を提供できているそうだ。

 試しに「White Tan Leather」95ドル(約1万1400円)という製品を見てみると、なめし革の時計バンドと9ミリのクリスタルグラス、傷がつきにくく頑強なステンレスカバー、ムーブメントには日本のミヨタ社のものが採用されており、良質なパーツ群で構成されていることが分かる。

 配送料や保証の充実も魅力のひとつだ。同サイトでは米国内のみならず、国外の配送料も10~20営業日待てるのであれば、USPSを使って無料配達してもらうことができる。ちなみに急ぎの場合は国内外問わず15ドル支払うことで国内なら1~2営業日、国外でも3~5営業日で配達してもらえるという。

 また保証期間は2年間と長めで、時計を普通に利用していたのに問題が発生した、と認められた場合は、2年間以内に限って商品を交換するとしている。同じような価格帯の時計ブランドは他にもあるが、配送料や保証も含めてトータルでお値打ち感があるのが魅力だ。

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
先日記事をアップしたソニーのFES Watch。コンセプトは違えど、同じ時計で資金もクラウドファンディング。しかもFES Watchもいかにシンプルにして世に送り出すか。徹底的に想定顧客のヒアリングをした。興味のある方はそちらの記事を。 http://newswitch.jp/p/2172

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