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高速「水中Wi-Fi」実現、水中ドローン使いやすく?

島津、通信装置を投入
高速「水中Wi-Fi」実現、水中ドローン使いやすく?

水中Wi−Fiを実現した海中のイメージ。ドーム状に広がる通信エリアで高速無線通信が可能で、水中ドローン(中央)の画像送信に活用できる

【京都】島津製作所は27日、深海域などの水中で主流の音響通信に比べ、1000倍速い水中光高速無線通信装置「MC100」を発売したと発表した。ハイビジョン動画のリアルタイム通信はじめ、双方向大容量通信ができる。海底パイプライン管理や資源探索などで使う無人潜水機(水中ドローン)向けに提案。将来は海洋開発を効率化する水中Wi―Fi(ワイファイ)ステーションの構築用途も想定している。

同装置は海洋機器市場向け製品の第1弾。欧米の石油メジャーらで評価が進む。消費税抜きの価格は1500万円。販売目標は年10セット(双方向の対)。今回は通信距離10メートルの近距離タイプ。通信距離は理論上300メートルでも可能という。同50メートルの中距離タイプなどもそろえ、海洋機器事業を2022年度にまず売上高7億円に育てる。

発売した水中光無線通信装置

海洋研究開発機構との水中光無線通信の共同研究成果を活用。島津が手がける半導体レーザーの技術、耐圧技術、設計ノウハウなどを応用した。水深3500メートルより深い海底でも使え、軽くて小さい送受信一体型。ケーブルで水中ドローンの活動を制限する有線通信からの置き換えでも採用が期待される。

日刊工業新聞2020年2月28日

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