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完全自動運転のMaaS実証へ、地域住民の移動手段に

経産省が来年度に
完全自動運転のMaaS実証へ、地域住民の移動手段に

トヨタ自動車の自動運転機能付き電気自動車(EV)「eパレット」と豊田章男社長

 経済産業省は2020年度から人の運転操作が不要な「完全自動運転車」を活用したMaaS(乗り物のサービス化)の実証事業に乗り出す。全国の自治体や交通事業者から商用化を想定したプロジェクトを募り安全性や有効性等を検証する。地方を中心にドライバー不足が深刻化し、公共交通機関の維持・確保が課題になっている。実証事業を通じ、ドライバー不在で走行できる完全自動運転車を使ったMaaSの社会実装を後押しする。

 自動運転技術「レベル4」相当の完全自動運転車を活用し、遅くとも25年までにMaaSの社会実装を目指す自治体や交通事業者、サービス事業者がプロジェクト選定の対象になる。完全自動運転車を遠隔監視できる環境を整備した上で、商用化を想定した公道ルートを実際に走行させる実証を想定する。実証を商用化に向けたビジネスモデルの改善等に役立ててもらう。

 少子高齢化を背景にバスやタクシードライバー不足が深刻化する地域が増え、地域における移動手段の確保が課題になっている。完全自動運転車を使ったMaaSは、地域住民や観光客の新たな移動手段として普及が期待されている。

 経産省は従来から自動運転技術の開発支援やMaaSの実証支援等に取り組んできたが、20年度からは完全自動運転車を使ったMaaSの支援を本格化する。早期の普及を後押し、社会課題の解決につなげる。
日刊工業新聞2019年11月4日

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