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モーターショーで見えてきた、各社の“推しバイク”

モーターショーで見えてきた、各社の“推しバイク”

ホンダはスーパーカブシリーズの新たな姿を提案する「CT125」を披露

 残すところあと1日となった「第46回東京モーターショー」。4輪車だけでなく趣味性の高い2輪車も注目されている。各社は遊び心や安全性、新しいエンジンなどで魅力を伝える新型を出展。国内の2輪市場は縮小傾向にあるが、中型クラスは販売が伸びており、各社は商品を拡充する方針だ。一方、電動バイクといった次世代車もショーで示されている。

 ホンダは旗艦モデルを生かした趣味性の高い層にも訴求する車種を発表。スーパーカブシリーズの新たな姿を提案する「CT125」を世界初公開した。海外では配達などのほか狩りにも使われたことから“ハンターカブ”の異名を持つCTシリーズで、車体デザインでは遊び心も重視された。発売時期は未定だがファンにとっては早期の市販が期待される。

 ヤマハ発動機は車輪が車体と同調して傾く独自技術を利用した3輪バイク「トリシティ300」を出展。「3輪バイクは安全性が高く親しみやすい」と担当者は話す。実際、国内で発売中のトリシティ125と155の販売は堅調だという。300にも期待をかける。

 新たなエンジンを搭載した車種も登場した。川崎重工業は今回世界初公開した「ニンジャZX―25R」を20年秋頃、「ZH2」を20年初夏に国内投入する計画。ZX―25Rは250cc級では10月現在唯一の並列4気筒エンジンを搭載するモデルとして注目を集めそうだ。新型は「総合重工業メーカーの高い技術力とモノづくりのこだわりを込めた」と堀内勇二常務執行役員は意気込む。

 スズキは新開発の排気量250cc油冷エンジンを搭載した「ジクサーSF250」と「ジクサー250」を発表した。油冷エンジンは水冷ほど部品がいらず軽量化に寄与するほか、空冷より性能を高められる点が特徴だ。メンテナンスも容易だという。鈴木俊宏社長は「国内販売に向けて準備を進めていく」としている。

 次世代に向けた新たな電動バイクも示された。ホンダは配送車向けとして電動スクーター「ベンリィe」と3輪電動車「ジャイロe」を出展。ベンリィeは20年春の発売を予定し、2輪車のコネクテッドサービスも用意する。

 八郷隆弘社長は「働くバイクの電動化でより静かでクリーンな生活環境を提供する」と強調する。ヤマハ発も電動バイク「E01」「E02」を参考出展。日高祥博社長は「さまざまな可能性を考えて準備していく」としている。
川重は「ニンジャZX−25R」(左)や「ZH2」を披露

(取材・山岸渉)
日刊工業新聞2019年11月4日

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