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リチウムイオン電池に参入したニチコン、初の大型受注はサムスンのスマホだった!

リチウムイオン電池に参入したニチコン、初の大型受注はサムスンのスマホだった!

「SLBシリーズ」

 ニチコンは24日、急速に充放電できる小型リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」が、韓国サムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーノート10」と「ノート10+」のスタイラスペン(タッチペン)に採用されたと発表した。従来のタッチペンに比べ、使用可能時間を約10倍に伸ばせるという。ニチコンは2018年春にリチウムイオン二次電池事業に参入し、今回が初の大型受注となる。

 受注規模は明らかにしていないが、ニチコンが同電池を単独で供給するという。一般的にタッチペンには、急速充電・放電性能を持つ電気二重層コンデンサーが使われるが、多くの電力を蓄えられず、タッチペンを長時間使用できない点が課題だった。

 新型スマホのタッチペンには、リモートコントロール機能や、画面に触れずにペンを持つ手の動きでスマホを操作できるエアアクション機能など、従来品に比べて付帯機能が多い。

 ペンに多くの機能を持たせると電力消費が大きく、充電の回数・時間が多く必要。SLBシリーズの搭載で課題を解消できる。

 今回採用されたSLBシリーズの寸法は、直径3ミリ×長さ7ミリメートルの円柱形。3分間で全容量の約80%を充電できる。マイナス30度Cまでの低温環境でも充電可能。負極の材料を改良し、劣化や発火の危険性を抑えた。ニチコンは6月から子会社のニチコン大野(福井県大野市)で同電池を月100万個量産している。

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日刊工業新聞2019年9月25日

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