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「CX-30」は3と5と顧客を奪い合わない!マツダの言い分

丸本社長「独自の魅力がある」
「CX-30」は3と5と顧客を奪い合わない!マツダの言い分

来月24日に発売する新型SUV「CX-30」とマツダの丸本社長

 マツダは日本で新型スポーツ多目的車(SUV)「CX―30」の予約受注を開始し、10月24日から順次発売する。現行の小型SUV「CX―3」と中型SUV「CX―5」の間を埋めるサイズの新規SUVの投入となる。国内販売で苦戦する中、SUVブームを捉えて巻き返しを図りたい考え。

 「グローバルで市場がSUVにシフトする中、今後のマツダを支える極めて重要な商品だ」。丸本明社長はCX―30をこう位置付ける。CX―30は5月に日本で発売した新型小型車「マツダ3」に次ぐ「新世代商品」の第2弾。エンジンはガソリンとディーゼル、新しい燃焼方式を採用したガソリンエンジン「スカイアクティブX」を用意。スカイアクティブX搭載車は2020年1月中に発売する。価格(消費税10%込み)は239万2500―371万3600円。月販2500台を目指す。

 日本も含め世界的なSUVブームが続く。オフロードが多かった利用シーンは日常にも広がっており、CX―30も市街地でも運転しやすい車体サイズに仕上げた。

 全高は1540ミリメートルで高さ制限のある立体駐車場の利用が可能。荷室は開口幅を1020ミリメートルとし、ベビーカーやスーツケースなどを同時に積載できるスペースも設けた。実用性とともに外観や内装のデザインはなめらかさや上質感などを演出する工夫も施したという。

 CX―3、CX―5と需要を奪い合う恐れについて、丸本社長は「CX―30の(独自の)魅力がある。(奪い合うことはなく会社の)成長につながる自信はある」とした。

 マツダの19年1―6月期の国内販売台数は前年同期比13・4%減の10万3811台だった。7月はマツダ3の新車効果などでプラスとなった。商品価値を維持する年次改良や、買い替え負担を軽減する残価設定型クレジットなどの販売施策を打っており、「着実に成果が出ている」(斉藤圭介国内営業本部主幹)という。通期では「マツダ3やCX―30の上乗せ効果も含め前年比プラスを狙う」(同)。

 ホンダの「ヴェゼル」やトヨタ自動車の「C―HR」など競合車と比べると価格はやや高めだが先進安全装備の充実などで差別化を図る。CX―30はマツダの国内販売を占う試金石となる。
日刊工業新聞2019年9月23日

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