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経産大臣インタビュー「韓国は国際社会の常識を全うすることが大事だ」

「ホワイト国から外される理由はまったくない」
経産大臣インタビュー「韓国は国際社会の常識を全うすることが大事だ」

経済産業相・菅原一秀氏

 第4次安倍再改造内閣が始動した。新閣僚に就任した菅原一秀経済産業相に韓国問題など課題や重点施策をついて聞いた。

 ―対韓貿易管理の運用見直しをめぐる問題で、韓国が貿易手続きの優遇措置「ホワイト国」から日本を除外しました。
 「日本は世界貿易機関(WTO)の各条約に基づき、公正・公平に輸出している。例えば半導体の洗浄剤に使われるフッ化水素も(その条約に基づいて)韓国に輸出している。ホワイト国から外される理由はまったくない。(韓国は)国際社会の常識を全うすることが大事だ」

 ―日韓問題で落としどころを見つけることは可能でしょうか。
 「韓国の前政権とは、まったく問題がなかった。(現政権では)否定的な動きが続いており、厳しい認識を持っている。経産省としては韓国に対し、適切に対応するよう引き続き強く求めたい。大量破壊兵器、通常兵器につながる貿易はあってはならない」

 ―貿易上の紛争解決手段となるWTOに関しては、機能不全に陥っていると指摘されています。
 「加盟国が一致してルールを決めることは厳しく、紛争解決も想定していたように(役割を)果たしていない。一方、世界中で保護主義が強まり、経済のデジタル化も進んでいる。ある国では電子商取引の分野で技術を寡占するため、サーバーを自国に設置するよう求める動きもある。(こうした問題に)各国がバラバラに対処するのは避けるべきだ。多国間の共通ルールがますます必要になる」

 ―WTO改革で日本はどうリーダーシップを発揮しますか。
 「日米欧3極貿易相会合は極めて大事だ。会合の場をさらに活用しながらWTOの改革につなげる」

 ―年内の妥結を目指す東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉をどう進めますか。
 「あらゆる手だてを尽くし、自由貿易を具現化できるよう努めたい。(妥結に必要な韓国との2国間交渉については)冷静になっていただくことを期待する」
(日刊工業新聞・敷田寛明)
日刊工業新聞2019年9月18日

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