ニュースイッチ

眼鏡の鯖江、地場産業のマーケティング新拠点が担うコト

鯖江会議所、観光・ビジネスの総合窓口に
眼鏡の鯖江、地場産業のマーケティング新拠点が担うコト

眼鏡や漆器の販売など8エリアを設ける鯖江会議所

 鯖江商工会議所は、商工会議所ビル(福井県鯖江市)の1階フロアを全面改装し、地場産業の眼鏡、漆器、繊維のマーケティング拠点を12月に開設する。商工会議所ビルが市中心街に立地する利点を生かし、鯖江の地場産業に関心を持つ観光やビジネス客の総合窓口拠点とする。国の補助金を活用し、整備費は7500万―8200万円を見込む。

 開設するのは「さばえモノづくりマーケティング拠点(仮称)」。ビル1階の事務所機能を2階にすべて移し、1階の約360平方メートルの床面積で、眼鏡や漆器の新商品の体感・販売エリア、商談、企画・開発、イベントなど8エリアを設ける。既存の小売店などの商流にプラスになるよう施設運営する。

 デザイナーの黒崎輝男氏が設計プロデュースを担当し、10月に着工。整備費は国の補助金「共同・協業販路開拓支援事業費補助金(マーケティング拠点型)」からの5000万円に加え、商工会議所の自己資金と鯖江市も補助金を予定する。

 拠点の運営は鯖江市内に拠点を持つ慶応義塾大学を含め、地域の産学官金で連携体制を組む。土・日曜日も営業して観光需要に応えるほか、3年後に国内外のビジネス客、クリエーターが集う、鯖江地場産業の拠点を目指す。経営支援セミナーも拡充する。

 眼鏡や繊維など鯖江の地場産業はOEM(相手先ブランド)供給が主力。市場は縮小傾向にある半面、伝統の技に注目する国内外のビジネス客も増えており、商工会議所が総合的な窓口拠点を整えることにした。
日刊工業新聞2019年9月10日

編集部のおすすめ