日産が異例の国産部品切り替え。直近1年間で30点

円安局面を受けモデルチェンジ期以外でも。

 日産自動車が日本で生産する現行モデルについて、直近の1年間で部品点数にして20―30点を国産部品に切り替えたことが分かった。2012年末から円安が進んだことを受けた措置。それ以前の円高局面で輸入部品の採用を増やしたが、円安で国産部品のコスト競争力が高まったことから切り替えを進めた。改めて円安が部品メーカーの国内生産活動に波及していることが明らかになった。

 山内康裕副社長が日刊工業新聞のインタビューに応じ明らかにした。九州工場(福岡県苅田町)で生産する主力小型車「ノート」については、14年秋頃から国産部品への切り替えをはじめ、これまでに10点を切り替えた。

 部品の切り替えは、モデルチェンジを機に行うことが多いが「デザインや性能に直接影響のない部品についてはモデルチェンジを待たずに切り替えた」(山内副社長)としている。ノートは1ドル=70円台の超円高下にあった12年に全面改良し生産開始時の輸入部品の採用率は4割だった。

 九州工場以外にも、子会社日産車体の九州工場(同)、追浜工場(神奈川県横須賀市)、栃木工場(栃木県上三川町)で生産するモデルでも国産部品への切り替えを行った。

 輸入部品の主な仕入れ先は中国、タイ、インド、韓国で、特に中国が多いという。山内副社長は中国の人件費の上昇が切り替えの背景にあることも明らかにした。中国人民銀行が8月に実施した元の切り下げについては「中国から輸出しやすくなるが、グローバルの調達構造を変えるほどの影響はない」(同)としている。

 日産は円安を受け、北米向けSUV「ローグ」を16年春から再び九州工場で生産することを決めている。新規の完成車の生産開始だけでなく、現行モデルの国産部品への切り替えも、部品メーカーの国内生産の活性化につながっている。

日刊工業新聞2015年09月02日 自動車面

明 豊

明 豊
09月02日
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最近はモジュール化が進んでいて単体で部品を切り替えにくいはず。設計段階からそのような柔軟性を持たせているのか?またサプライヤーの供給体制も事前に整備しておく必要がある。同じサプライヤーで国内外の工場から調達しているケースは少ないと思われるので、逆に円高にふれると、国内サプライヤーはまた仕事がなくなるリスクもある。

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