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常温、冷蔵、冷凍まとめます!国分が「3温度帯化」の物流センター

茨城に大型施設を開設。地域取引先の利便性向上狙う
常温、冷蔵、冷凍まとめます!国分が「3温度帯化」の物流センター

3温度帯に対応した茨城総合センター

 国分は茨城県石岡市に3温度帯に対応した「茨城総合センター」を開設した。同社は全国で物流センターを再編しており、従来の常温、低温、温度帯別に分かれていたセンターを集約する方針。3温度帯商品の一括納品で取引先の作業効率や利便性の向上を図る。すでに東京・板橋に東京23区内としては初の3温度帯の物流センターを開設した。今後は仙台や西東京にも同じようなセンターを開設する計画だ。

 国分は「卸の機能を強化するためには物流に力を入れなければならない」(国分勘兵衛会長兼社長)として、全国に3温度帯の商品を一括して配送できる総合センター構想を打ち出し、今年から本格的に整備に着手した。

 国分は全国に約230拠点の物流センター(2015年12月末現在)を持つ。ただ、ほとんどが常温、冷蔵、冷凍の温度帯別に分かれている。これを再編し、中長期的に地域の核として3温度帯の商品を一括配送できる総合センターを配置。それにサテライト型のセンターを張り付ける計画だ。

 すでに首都圏での整備は始まっている。2月には東京・板橋に総合センターを開設。今回の茨城総合センターは首都圏で2カ所目となる。さらに11月には東北地方の核となる宮城・仙台総合センター、16年1月には西東京総合センターの開設が決まっている。中長期的には中部、西日本、九州地区でも同様に整備を進める。

 ネット通販市場の急拡大で、卸にとっては物流や情報の機能充実が課題となっている。商品の一括配送で店舗作業の効率化に貢献したり、迅速な納入で取引先の販売機会の損失を減らしたりするには、3温度帯の食品を一括して取り扱う拠点の拡充が必要。国分はセンターの再編で一段と地域に密着して取引先への利便性向上を図る方針だ。

 【茨城総合センター】
 茨城県内にある常温二つ、低温二つの計四つのセンターを統合して建設した。ワンフロア約2万平方メートルで、常温エリアが1万3358平方メートル、冷蔵エリアが3125平方メートル、冷凍エリアが1767平方メートルと3温度帯に対応した構成。接車バースは常温が61基、冷凍などが大型10基、通常が26基ある。取り扱いカテゴリーは加工食品、酒類、チルド食品、冷凍食品、デリカ、冷菓、菓子など。茨城を中心に千葉、栃木、福島の各県をカバーする。
2015年09月01日 建設・エネルギー・生活面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
国分は300年以上の歴史のある企業です。変化に対応してきた結果の300年企業です。冷凍・冷蔵、常温という3温度帯の商品を同時に取引先のスーパーなどに迅速に届けるというのも時代の変化に対応した結果です。

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