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大スポンサーの業績は好調。京都サンガ、新社長でJ2下位から逆襲へ

京都系企業は電子部品を筆頭に常勝軍団
大スポンサーの業績は好調。京都サンガ、新社長でJ2下位から逆襲へ

山田知事を表敬訪問した京都パープルサンガの山中社長(左)

 ここからの巻き返し―。サッカーJリーグ、京都サンガFCを運営する京都パープルサンガ(京都市下京区)の新社長にサンガのメーンスポンサー、京セラ出身の山中大輔氏が就いた。7月就任した石丸清隆監督とともに、J2で下位に沈むチームの逆襲を期す。山中氏は57歳。京セラディスプレイ社長などを歴任した。

 サンガは15日、大分トリニータとの“逆天王山”を逆転勝ちし、J3降格圏をひとまず脱出した。山田啓二京都府知事を表敬訪問した山中社長は「(新監督就任後は)練習量が増え、選手も応えている。サッカーは素人だが経営面から支援したい」と抱負を述べた。

 山田知事も「(京都府亀岡市に建設予定の)新スタジアムもようやく設計段階まで来たが、サンガが強くならないと盛り上がらない」と地元チームの復活にエールを送った。

京都系企業の4―6月期は8社が増収増益


 電子部品メーカーを中心に、京都企業の業績が好調だ。中国経済の先行きに不透明感が増すなど懸念材料はあるものの、2015年4−6月期は、大手16社のうち8社が増収増益。多くの京都企業が円安などを背景にグローバル市場での存在感を高めている。好業績でそろった前年度に続き、2016年3月期も幸先の良いスタートとなった。
 
 これまで各社の業績をけん引してきたスマートフォン市場。最近では中国市場の失速が懸念されているが、村田製作所の藤田能孝副社長が「中国現地メーカーへの昨年の売上高は前年比で倍増した。今年はそこまでいかないと50%増を計画したが、フタを開けると倍増していた」と指摘するように、現時点での影響は限定的と言える。

 京セラの山口悟郎社長も「勝ち残った中国メーカーは、これまで以上に高性能部品を買ってくれる。手応えはある」と指摘する。スマホメーカー向けにFA機器などを販売するオムロンも、「スマホに対する設備投資は盛ん。まだまだ伸ばすチャンスはある」(日戸興史取締役)と見ている。

 中国やブラジルなど一部新興国の停滞や欧州経済の不振などがあるものの、「グローバルは堅調」(日戸取締役)で、電子部品業界に限らず各社の業績はおおむね好調に推移している。島津製作所は主力の計測器に加え、医用機器、航空機器でも増収。SCREENホールディングスは印刷機器やプリント基板関連機器が伸びた。

 ジーエス・ユアサコーポレーションは国内事業が縮小し減収減益となったものの、アジア向けを中心とした海外事業に限れば好調を維持しており2ケタの増収となった。
日刊工業新聞2015年08月25日 中小企業・地域経済面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
パク・チソンや松井大輔がいたころが懐かしいです。

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