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潜水艦は失注、「P1」「C2」は防衛品輸出の切り札になるか

パリエアショーで商談の質を高める
潜水艦は失注、「P1」「C2」は防衛品輸出の切り札になるか

パリ航空ショーに出展した「P1」と「C2」

 防衛省は仏パリ近郊のル・ブルジェ空港で開催中の「パリ国際航空ショー(パリエアショー)」に、固定翼哨戒機「P1」と輸送機「C2」を出展した(写真)。両機を海外展示会で同時に披露するのは今回が初めて。国産航空機の高い技術力をアピールして諸外国への技術協力を促進するとともに、防衛装備品の輸出につなげる。

 防衛装備庁の後藤雅人プロジェクト管理総括官(航空担当)は「各国の安全保障に資する適切な装備品の移転で国際的な平和に貢献したい」と出展の意義を話した。防衛装備品の輸出は潜水艦「そうりゅう」の失注をはじめ、苦難が続く。展示会に実機を持ち込むことで高い技術力の裏付けを肌で感じてもらい“商談”の質を高めたい思惑もある。

 P1、C2とも川崎重工業が製造を担当。本年度からの新たな中期防衛力整備計画(中期防)では、5年間でP1を12機、C2を5機導入する計画だ。これに加えて輸出に結びつけられれば、製造会社やサプライヤーの恩恵は大きい。日本の防衛産業を維持・拡大するためにも、輸出による生産規模の積み増しに期待がかかる。(パリ=長塚崇寛)
日刊工業新聞2019年6月19日

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