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シャープ、世界最大の家電展示会「CES」から撤退か

毎年1月、ラスベガスで開催。北米の一般消費者向け事業から撤退で意義薄れる
シャープ、世界最大の家電展示会「CES」から撤退か

前回の「CES」では高画質テレビなどを提案していた

 シャープは毎年1月に米ラスベガスで開かれる世界最大の家電見本市「CES」への出展を見送る検討を始めた。すでに北米テレビ事業の生産・販売撤退を決め、北米向けスマートフォンも現行機種での終息を検討中。同社主導の北米の一般消費者向け事業はほぼなくなり、費用対効果や出展意義が見いだせなくなっている。
 
 経営危機のシャープは多くの国際展示会出展を見合わせてきた。「その年の商談の行方を決める」(同社幹部)と、最後まで残した「CES」も見合わせれば国際的な存在感は大きく後退する。
 
 次回CESへの出展は予約済みだが、取り消すことは可能という。出展物を含め、億円単位の費用をかけていた。北米テレビ事業は、CES開幕日にあたる2016年1月6日付で北米生産拠点を中国家電大手のハイセンスに売却し、同社にシャープのブランドも供与する予定だ。
 
 シャープは欧州家電見本市「IFA」への出展も13年から取りやめた。9月の次回IFAでは、シャープブランドを供与したトルコ・ヴェステル、スロバキア・UMCがそれぞれシャープブランド品を出展予定だが、シャープは関わっていない。CESも同じ形で出展する可能性はある。
 
 CESは国内外有力メーカーが参加し、最新のテレビや映像技術、情報通信技術などを披露する展示会。近年は自動車メーカーも注目し、規模は年々拡大傾向で、国内勢ではパナソニックやソニーなどが参加している。
日刊工業新聞2015年08月14日 3面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
普通に考えてそうなりますね。CESは第1回の開催が1967年と歴史があり、9月にドイツ・ベルリンで行われるIFAとともに家電の2大展示会と言われてきた。時代とともに主役が入れ替わり、2000年代は基調講演をマイクロソフトのビルゲイツ氏が務めていた。日本の家電メーカーではソニーやパナソニックのトップがキーノートを務めることもあった。アップルは単独でイベントを開いており、世界最大のゲームショーは「E3」がある。CESも今年からスタートアップやベンチャーなど新興企業が数多く参加、またIoTというトレンドが前面に出てきて大きな変わり目にある。さて日本のCEATEC(今年は10月7日~10日まで開催)はどうなるか。

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