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ヤマハ発社長「(社名の)“発動機”を変更したらという声ある」

自身は現社名に愛着
ヤマハ発社長「(社名の)“発動機”を変更したらという声ある」

日高祥博社長(18年9月のNIKEN発表イベント)

 「社内外からいろいろと意見をいただいている」と語るのは、ヤマハ発動機社長の日高祥博さん。事業が多方面に広がる中、社名の「“発動機”を変更したらどうかという声はある」と明かす。

 ダイハツ工業やトーハツなど“発動機”が入った社名をカタカナに変えた企業は多い。それだけに、「漢字のままの方が目立つかも」と笑う。

 本格的な議論はしていないが「そのままか、英語名のヤマハ・モーターにするかだと思う」との見解。大のバイク好きの日高さんだけに「愛着もある」と現社名に1票だ。
(日刊工業新聞2019年1月24日掲載)

 自動車業界は100年に1度の変化と言われており、ヤマハ発動機も新しい挑戦が相次ぎ、事業範囲はさらに広がりつつある。

ハイブリッドバイクVBに出資


 ヤマハ発動機は、ペダルによる走行と電動2輪車としての走行の両方が可能なハイブリッドバイクを開発製造するglafit(グラフィット、和歌山市)に約1億円を出資したと発表した。出資比率は非公表。ヤマハ発が国内のモビリティー関連ベンチャー企業に出資するのは初めて。

 今後、グラフィットの要望に応じてヤマハ発からの技術提供や人員派遣を検討する。両社はグラフィットのハイブリッドバイク「GFR」シリーズをベースにした派生モデルを開発し、2020年春をめどに発売する計画。

 ヤマハ発の木下拓也執行役員MC事業本部長は「今後も新価値を創造するスタートアップ企業への支援と同志的結合を通じて、人々の可能性を広げる活動を続けていく」と述べた。
(日刊工業新聞2019年1月25日掲載)

2輪配車で業務提携


 ヤマハ発動機は、シンガポールに本社を置く東南アジア配車サービス最大手のグラブと、2輪配車事業に関する戦略的業務提携で合意したと発表した。グラブに1億5000万ドル(約170億円)を出資する。ヤマハ発は2輪車の安全に関する技術やノウハウを提供する一方、2輪配車で得た知見を今後の製品開発に生かす。

 出資比率は非公表。今回の提携では2輪タクシー運転者の運転技術を数値化するなど、ヤマハ発が持つ安全に関するノウハウを提供し、利用者の満足度向上につなげる。また2輪配車サービス従事者や検討者に対し、2輪車購入を支援する仕組みも構築する。

 木下拓也ヤマハ発動機執行役員MC事業本部長は「今回の協業によりモビリティーシステムにおける2輪車の価値を向上させ、新たなソリューションの創出に期待したい」と語った。グラブは8カ国235都市でサービスを展開し、ユーザー数は800万人以上。
(日刊工業新聞2018年12月14日掲載)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
日高社長は2018年1月に就任。年明けにご挨拶する機会がありましたが、新しい取り組みが始まり、事業範囲が広がってきたことについて、もともとの方針通り進めています、とサラリと話されていました。一方、広げるだけでなく4輪車の開発凍結の決断もしています。

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