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49・6%がすでに内定取得!来春入社の新卒「短期決戦」、中小に試練

魅力訴求、採用支援も工夫
49・6%がすでに内定取得!来春入社の新卒「短期決戦」、中小に試練

企業と学生が短期集中の出会いを求められる中、資金の少ない中小はいかに魅力を伝えられるかがカギになる(東商の合同説明会)

 2016年春入社の新卒採用は、例年にない「短期決戦」となっている。大手企業による面接などの選考活動が1日に解禁となり、14年に比べ4カ月遅いスタートとなった。特に新卒採用に割ける人員や資金が少ない中小・ベンチャー企業にとっては、試練の時期になりそうだ。一方、企業の特色、風土を学生に訴求し、新卒の継続採用に成功している中堅・中小企業もある。 

就職協定で「学業重視」


 短期決戦になった背景には、就職活動の長期化が学業に影響を及ぼしているとの政府や大学の要請がある。そのため、経団連は加盟企業に対し、会社説明会などを3カ月、面接などを4カ月それぞれ繰り下げ、学業重視の声に配慮した。
 
【内定取得49・6%】
 ただ、これらの日程は紳士協定。経団連に加盟していない外資系や中小・ベンチャー企業は、すでに選考活動が最終盤に差しかかっているところもある。また大手企業もインターンシップ(就業体験)の機会を設け、目当ての学生に白羽の矢を立てている。
 
 リクルートキャリアの就職みらい研究所の調べによると、7月1日時点で、企業から内定を取得している学生は49・6%とほぼ半数に達している。堅調な企業業績を背景とした人材不足感から、企業の新卒採用意欲は高く、有望な新卒者の争奪戦になっている。大手・中堅の採用が進むとともに、虎の子の内定者を引き留められるかがカギを握る。
 
【経営者自ら「おもしろさ」伝える】
 中小企業では、中小ならではの仕事のやりがい、おもしろさを学生に伝えきれるかどうかがポイント。社員一人ひとりの業務内容の幅広さと、それに伴うやりがいの大きさ、地域密着度の高さなど、アピールすべきポイントは多い。また学生の進路選択に強い影響のある保護者向けの職場見学会などを開く企業もある。

 また大企業のように制度化が進んでいなくても、社員の出産や育児、介護などに配慮し柔軟な働き方を後押ししている企業も多い。経営者自らがこうしたメリットを語り尽くせるかが採用活動の成果につながりそうだ。日常から地元大学との産学連携やインターンシップの実施など、企業の素顔を伝えていくことが今後の採用にも結びつく。
日刊工業新聞2015年08月05日深層断面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
リーマンショックまっただ中に就活をした身としては、非常に羨ましい売り手市場。 どんな経済状況でも、入社してから十分にパフォーマンスを発揮できるように採用段階でしっかりと相互理解ができるようになればなあと思います。内定はゴールではなく、長い長い社会人生活のスタートにすぎません。

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