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NECがIoT事業拡大に本腰。2020年に3000億円を目指す切り札は?

水需要予測など五つのソリューションを新たに追加
NECがIoT事業拡大に本腰。2020年に3000億円を目指す切り札は?

NECホームページより

 NECは23日、モノのインターネット(IoT)関連事業の売上高を2020年度に海外を含め、現行比6倍の3000億円に拡大すると発表した。企業向けIoT活用に加え、社会インフラの安全管理やエネルギー管理など幅広い領域でIoT活用を促進していく。強化策としてビッグデータ(大量データ)分析などの先進技術を用いた5種のソリューションを新たに開発し、順次投入する。併せてIoTの中核を担うシステム部隊を、20年までに現行比5倍の約500人に増員する。

IoT事業を全社横断で推進する。事業強化に当たり、「従来とは違う柔軟で汎用的なアーキテクチャー(設計概念)が必要」(清水隆明取締役執行役員常務)との判断から、新たに「IoTの5層モデル」を提唱。実世界とクラウドとの連携制御を担うエッジコンピューティングなどを強化していく。

 追加したソリューションは画像・重量検品、土砂災害検知・予測、水需要予測、電力需要予測、VIP検知接客支援の五つ。画像・重量検品は検品対象の商品をあらかじめ登録した商品の画像・重量情報と照合し、商品の品目と数量を瞬時に特定する。物流業界向けに同日発売した。

 土砂災害検知・予測は土中水分量を解析して、土砂災害の危険性がある斜面を高精度ですばやく把握する。発売は15年度下期。水需要予測は水利用履歴から「どのような時にどれくらい水が消費されるか」を正確に予測する。16年度に発売する。
日刊工業新聞2015年07月24日 電機・電子部品・情報・通信1
清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
新たに始める五つのソリューションというのが、いずれも泥臭いというか、電機メーカーが手がけているような実社会とつながる分野のものというのが興味深い。IoTの世界になると、これまでのようにコンピューター会社だけでどうにかなるものではないというのを改めて感じます。

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