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アップルがBMWと電気自動車で提携交渉、独誌報道

クックCEOらライプチヒの工場訪問、i3の炭素繊維ボディーに関心
アップルがBMWと電気自動車で提携交渉、独誌報道

BMWの「i3」

 独BMWの話題の電気自動車(EV)「i3」をめぐり、米アップルが密かに進めているEVプロジェクトのベース車にするべくBMWと交渉中だと、独マネジャー・マガツィーン誌が25日に報じた。ただ、i3は1回の充電で80マイル(約130km)しか走れないこともあり、アップルがこのEVをベース車に採用したとしても、「アップルならではの革新的な製品に仕上げるのはかなり大変だろう」(アップル専門ニュースサイトの9to5Mac)と報道内容を疑問視する見方もある。

 マネジャー・マガツィーンによれば、ティム・クックCEOはじめアップルの幹部が最近、独ライプチヒにあるBMWの工場で同社幹部と会談を持ち、i3の炭素繊維製のボディーに関心を寄せたとされる。両社の交渉は2014年秋から始まったものの、まだ合意には至っていないという。

 アップルの自動車参入プロジェクトが明らかになったのは、今年初めのこと。「タイタン」のコードネームのもと、EVを開発中というニュースが世界を駆け巡った。WSJは、元フォード・モーター幹部のスティーブ・ザデスキー製品デザイン副社長がプロジェクトを率い、今年初めの段階で数百人の社員がかかわっていると報じた。

 一方で、EV専業のテスラモーターズやバッテリーメーカーのA123システムズなどから、アップルによるエンジニアの大量引き抜きが表面化し、テスラとは関係が悪化。さらにA123による訴訟にまで発展した(5月に和解)。FTによれば、アップルはダイムラーのメルセデスベンツ研究開発部門のトップもスカウトしたという。
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
アップルがEVに参入したとしても、正直言って、グーグルの自動運転車のような驚きはない。一方、この分野で潜在的なライバルになるテスラは、かなりとんがったEVを出し、給電ステーションの「スーパーチャージャー」を続々と開設するなど、競争激しい自動車産業にあって独自の地位を築いている。アップルはお金もあるし優秀な人材もいるので、どんなクルマを世に送り出すのか、とりあえずはお手並み拝見といきたい。

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