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仮想コインで社員に絆を、役立つ投稿を書く・見るでコインが集まる

クロスキャット
 クロスキャットはブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した社内仮想コイン「いいネコイン」の運用を始めた。社内ブログ「クロストーク」上で発信内容を閲覧した社員が「いいね!」のボタンを押すと、投稿した社員との間で、仮想コインを独自の配分でやりとりできる仕組みをシステム化した。社内実践でノウハウを磨き、2019年度以降に同社の勤怠管理ソリューションを含め多様なプラットフォーム上で動く製品・サービスとして外販を目指す。

 社内仮想コインの導入は社員間の意思疎通の活性化や社員の満足度、帰属意識の向上につなげるのが狙い。新機軸に据えるブロックチェーン技術の実証実験も兼ねる。クロスキャットの「LINEキャラ」である猫(キャット)をベースに社内コインをデザインし、各社員に配布する「黒ネコイン」と、それを価値のある状態に変換した「白ネコイン」を活用する。

 社内ブログの掲示板で困りごとを質問して回答してもらったり、ためになる情報を見つけたりして「いいね!」を押すと、閲覧者の黒ネコイン10枚が消費され、白ネコインに変わる。変換された白ネコインは、評価された側の投稿者へ8枚、残り2枚は評価した閲覧者自身に配分される。評価ポイントを一方的に投稿者に送るのではなく、「いいね!」を押した閲覧者にも配分することで、社内コミュニケーションの活性化につなげる。

 同社はまず18年度下期分として、500人強の全社員にそれぞれ1000黒ネコインを配布する。社員の使用後に、貯まった白ネコインは1枚当たり「QUOカード」1円分として交換できるようにする。

 さらに、いいネコインの活動履歴を分析し、人事評価の一つの基準として採用する考え。例えば情報発信が多かったり、研修や社内イベントによく参加していたりするとプラス評価となる。

 同社は金融や公共機関などのシステム構築で実績を持つが、社員が客先に常駐することが多い。社員同士の意思疎通を補うために情報共有の全社サイトに加え、社内ブログを使っているが、活用には限界があり、いいネコインの導入に踏み切った。

 
日刊工業新聞2018年9月21日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
周囲の助けになっている人は組織全体にとってとても大事な存在。そんな人を見える化できそうです。

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